未熟な甲虫の呟き

創作小説サイト「あわいを往く者」附属ブログ。(サイト掲載小説一覧電子書籍のご案内
更新のお知らせやコメントレス、たまに管理人の雑談が交じります。
ユーザータグ「夜風は囁く」の記事
2017/08/28
創作話] 創作関係の呟き:酒癖と流し素麺 
2017/06/11
創作話] 創作関係の呟き:木登りの基本も握力です 
2016/08/02
創作話] 創作関係の呟き:残念な探偵役 
2016/04/01
創作話] エイプリルフール小ネタ 
2013/10/15
企画] 電子同人誌「でんしょでしょ!」 vol.4 
2013/01/27
掌編] 「黒の黄昏」SS「つうこんのいちげき」 
2012/05/23
掌編] 「黒の黄昏」SS「キス」 
2012/04/18
掌編] 「黒の黄昏」SS「煙草」 
2011/11/03
後書き] 「夜風は囁く」 

創作関係の呟き:酒癖と流し素麺

 創作関係の呟き、気がつけば先月から放置してたんで、ここらでまとめておきますー。
 ここしばらく、ぎっくり腰を皮切りに体調ぼろぼろだったから、くりえいてぃぶなこと呟く余裕が無かったね……(´・ω・`)

@sousakuTL そういえば、黄昏→積木でヒロインの相手役が違っている件について。どうせパラレルものにするんだったら、「もしも」をシミュレートしたほうが面白いと思って、な。あとは、不遇キャラの救済のため。
posted at 2017/7/10 21:50:47
@sousakuTL そういうことなんです。そういうことなんです。
posted at 2017/7/10 21:51:51

@sousakuTL 「紅玉~」で言及される、カラント王国建国の伝説。大フクロウと真っ黒な毛並みの大猫、という一羽と一匹の神の使い……(思わせ振りなホホエミ
posted at 2017/7/12 08:47:29
@sousakuTL (これとそれとが関係有るのか無いのか、関係有るのならどのようなものなのか。実はあまりよく考えてません……。このまま偶然の一致で終わるかもしれないし、何かが芽吹くかもしれない)
posted at 2017/7/12 08:53:15
@sousakuTL (随分な投げっぱなしっぷりだと自分でも思うけど、こういうのがあとで思いもよらない化学反応を起こすことがあるので、面白い)
posted at 2017/7/12 08:58:24

種明かしのターンで勢いよくパアッと迷彩を剥ぎ取って、「あれはそういうことだったのか!」と言わせたい人なので、私も伏線は潜んでいるほうが好きです。書く時に限らず読む時も。たった一行で世界をひっくり返す(ひっくり返される)の、ちょう楽しい。
twitter.com/furumiyakuji/s…
posted at 2017/8/5 18:15:38
でも、伏線の存在を忘れられてしまっても困るので、回収の際に居合わせた登場人物に過去を振り返ってもらうことはよくあります。伏線に気づいてたり覚えてたりする読者さんには、ちょっとくどく思われるかもしれませんが。
posted at 2017/8/5 18:20:57
九十九完結の際に某さんからいただいた「伏線分かった状態でもういちど最初から読み返したい」というお言葉に、私がどんなに狂喜乱舞したか。
posted at 2017/8/5 18:34:34

創作キャラについてこんなテンプレ作ってみました。 よろしかったらご自由にお使いください。
pic.twitter.com/tbu5T3LK5k
posted at 2017/8/1 08:13:44
ちなみにウチのファンタジー組はこんな感じです。

posted at 2017/8/1 08:17:50

日本人キャラだといまいち面白くなかったので、またまたファンタジー組で遊んでみました。楽しかったです!
twitter.com/WH_hiromi/stat…

posted at 2017/8/27 18:04:41
@xxxxxx ガーランも入れたかったんですが、レイと場所がバッティングしてしまって……(つまりエセルとガーランの箸使いはどっこいどっこい)。男二人が火花散らしてる横で、インシャが冷静にさくさく素麺掬っているんですよ、きっとw
posted at 2017/8/27 21:08:12
@xxxxxx ラグナ、あいつは頭悪くないのにどうしても肝心なところがズレてるんですよね。ウルスは仰るとおり麺の動きに魂を吸われてしまいましたw 君らは小学生か。 アルノルドは意外と手先が器用という設定に加えて、ひたすら真面目に任務wを続けるから習熟が早いというw→
posted at 2017/8/27 21:23:06
@xxxxxx →ロニーが満足に食べられていないと見るや、その分も自分が確保せねばと、食べるのそっちのけで、ただひたすら無心に麺を取って器に入れるを繰り返して、麺が溢れそうになる前にヴェーがそれをロニー用の器に取り分けて、ついでにヴェー自身の器にもちょっと分けてもらって、……という構図ですw
posted at 2017/8/27 21:29:17
 ウネンの「ダム」について
@xxxxxx 水路にお箸を突き立てて素麺を引っかけたまでは良かったんですが、そこからどうすることもできず、お箸にはどんどん素麺がたまってきて、水の流れも滞り……ウッ……(目頭を押さえる
posted at 2017/8/27 22:23:27


 ちょっと前に sousakuTL 宛てに紅玉の後日譚SSもどきを投げてもいたけど、即興で書いたせいで文章がむっちゃ粗いから、こちらに転記するのはやめておきます……。
 

創作関係の呟き:木登りの基本も握力です

 昨晩からむっちゃ寝てるのに眠くてしかたがありません。疲れというか寝不足が累積してるんだなあ……。
 仕方がないので、先月分のツイッタまとめ~。

 一部誤字を訂正しました……。タイムスタンプから元ツイに飛んだら意味ないけど。ていうか、二つ前の記事見たらバレるけど。


オーリとモウルでは、オーリのほうが断然情緒に安定感があるんだけど、モウルに比べて明らかに視界が狭い上に、目的達成のためには自己犠牲も厭わないところがあったり、[ネタバレ]という鬼門持ちなので、危なっかしさでいうと二人ともどっちもどっちなのでした。
posted at 2017/5/11 21:49:35

九十九を紙媒体で読みたい、との有難いご要望を複数の方からいただいたので、製本直送さんの「どこでも出版」 www.seichoku.com/user_data/publ… を使うことを検討しています。文庫サイズで全四巻になるから、むっちゃお安く仕上げる予定ですけど。表紙モノクロラミネート加工無し。
posted at 2017/5/11 22:51:12
PDFファイル作る際に、全編に亘って細部をブラッシュアップいたしました。が、WEB版もアップデートしてるので、紙本の優位性は無いんですよね。なので、四巻の最後にちょっとした後日譚をオマケでつけようかと思ってます。これから書きます。(だって特典つけること思いついたの一昨日なのだよ…
posted at 2017/5/11 23:11:22
書き下ろし、一巻ずつ用意したほうがいいかな……? うーむー。
posted at 2017/5/11 23:17:56
 ★全巻に書き下ろし掌編つけることになりました。乞うご期待。

GBさんは村を焼けました。
#village_fire
shindanmaker.com/671509

……なんだろう、この、「チャララッ チャララッ チャララッ チャララッ チャッタ ラッタッタ☆ 上手に焼けました~」感は……w
posted at 2017/5/16 22:13:20
 ※「チャララッ~」 : モンハンの肉を焼く時のBGM
今んとこ村を焼いたことはないなー、と思ってたけど、よく考えたら黄昏で隣町焼いてたわー。ハハハハ。
posted at 2017/5/16 22:17:59

pixivに投稿しました 「九十九の黎明」ゲストキャラ勢揃い #pixiv www.pixiv.net/member_illust.…
ツイッタで上げたやつの、細部をちょっとだけ修正しました。
posted at 2017/5/20 11:23:15

ノベルゼロ……今から10万字書くのは無理っぽいなと思って手持ちを見てみても、成人男性主人公って短編しかないわ……。アルノルドとガーランしかおらんわ……。
posted at 2017/6/1 08:19:13
アッごめん。原田も成人しとったな……とてもそう思えないけど。
posted at 2017/6/1 08:21:25
って、原田は主人公ちゃうやん!(素で間違えた
posted at 2017/6/1 08:21:55

#お宅のお子さんで素手でりんごを握りつぶせるの誰ですか

「オーリならできそう」
「剣技の基本は握力だからな」
「モウルは?」
「魔術師に握力が必要だと思う?」
偶然通りかかったマルセル(脳筋魔術師)をじっと見つめるウネンとオーリ。
「例外中の例外と一緒にしないでくれないかな!」
posted at 2017/6/3 09:19:25
「え? なにナニ? これを握りつぶすの? できるよー。できるけどさー、でも、つぶしたら食べにくいじゃん。切らない?」
「そっか。そうだね(素直に頷く」
「そうだな(どこまでも真顔」
「そうだよ(さりげに悔しそう」
「んじゃ、四等分でいいよな!(ちゃっかり」
posted at 2017/6/3 09:27:09
そして、あとから追いついてきたテオが、
(なんでこいつら往来の真ん中でりんご食ってんだ?)
という顔で、微妙な距離を保って見守る、と。
posted at 2017/6/3 09:29:17

@sousakuTL 読了ツイに触発されて、裏話(?)めいたものを一つ。九十九第六章後半、オーリがウネンの母親に腹を立てる場面で、母親の肩を持つような台詞を吐くモウルですが、あれはあれで「ウネンが母から愛されていなかったわけではない」とウネンを慰めていたつもりなのでした。
posted at 2017/6/4 08:01:22
@sousakuTL 二人の反応の差異が、単なる性格の違いに起因しているだけではないということは、第八章の終わりまで読んでくださった方なら分かるはず(にやり
posted at 2017/6/4 08:03:34

 

創作関係の呟き:残念な探偵役

 一カ月の広告表示にはまだ間があるけど、月が変わったことだし、先月分のツイッタまとめ参ります!

「RはリドルのR」の探偵役は、しょっちゅうハリセンで後頭部どつかれるような(一応、比喩。一応)残念なお調子者だが、他の小説でも、同様のポジションにいる奴は大抵なにかしら残念ポインツかかえているので、これはきっと作者のせいなのだろう……すまんな……。
posted at 2016/7/2 23:09:04
「夜風は囁く」のアニキはシリアスリーな崖っぷち人間相手にモノマネ披露しやがるし、「うつしゆめ」の優等生クンは謎解きに至るまでがボロボロだったし、「アルノルド(以下略」のアルノルドは石頭だし。うん? そう考えると、「九十九~」のモウルは比較的マシなほうなのか、な……?
posted at 2016/7/2 23:15:30
(たぶん、その物語の主人公か否か、というところがキーな気がする……)
posted at 2016/8/2 23:19:00
(待って、原田は主人公じゃない……)
posted at 2016/7/2 23:21:58

最初期のプロットには「主人公がほにゃららについての情報をゲットする」とか「ここでほにゃららの正体を仄めかす台詞」とか「ほにゃららを思い出してるところ」とか書いてあるからなあ。シナリオ段階でそれらの目的に合致するエピソードを考えて、並べて、入れ換えて、って、気分は嵌め絵パズルです。
posted at 2016/7/16 09:38:50

>RT (クローン羊ドリーのクローン姉妹たちは寿命が短くなっていないことが判明 - GIGAZINE gigazine.net/news/20160727-…
クローンが元の個体のテロメアの長さを引き継がないとなると、今寝かせてるプロット一つ再考せにゃならんな……orz
posted at 2016/7/28 17:15:45

 

エイプリルフール小ネタ

 エイプリルフールに何かできないかなー、と考えるだけ考えて結局何もできなかった、という呟きを、せっかくだからまとめておきます。

エイプリルフールに自作小説ネタで学園乙女ゲー、ってのを考えかけてたんだけど、私、乙女ゲーって、エジコイ!しかしたことないんよな……(アカン
posted at 07:23:48

新しい話から順に攻略キャラ化してみると、

ウネン:地学部員。学年一背の小さい男子。ショタ枠。好意だだ漏れな体当たり型。 
オーリ:バレー部の主将。寡黙で硬派枠。気がついたらいつも守ってくれてた型。 
モウル:図書委員。外面のいい二枚舌枠。他の人には見せない素顔を見せてくれる型。
posted at 07:26:39

 ショタ枠が必要だと、なけなしの知識が囁いたのです……すまぬウネン。
 そして、キャラの類型というなら、「二枚舌枠」じゃなくて「ひねくれ者枠」と書くべきであったかも、と。
 
ラグナ:外国からの留学生。石油王枠。俺に堂々と意見したやつは初めてだ気に入った型。 
ウルス:物理部員。幼馴染み枠。静かに見守ってくれていると見せかけて独占欲凄い型。 
陸:生徒会長。優等生枠。本当に僕を理解してくれているのは君だけだ型。 
あかん、腹痛ェw #エイプリルフール
posted at 07:28:37

珊慈:剣道部員。チャラ男に見せかけて真面目枠。正統派告白型。
朗:やはり化学教師。大人枠。経験値の差に物言わせて囲い込んでくる型。 
レイ:サッカー部員。少年漫画的ヒーロー枠。体育会系体当たり型。 
ガーラン:部活の先輩。兄貴枠。いつも相談に乗ってくれる型。 
#エイプリルフール
posted at 07:33:09

(見よう見まねで頑張ってみた)
posted at 07:36:39


 主だった小説からメインの男キャラ二人ずつぐらいネタにしよう、って思っていたのに、アルノルド達入れるの忘れてたことにあとから気づいたので、ここに足しておきます……すまぬ……すまぬ……。

アルノルド:空手部。堅物枠。惚れているのが他人にはバレバレなのに自分の恋心をなかなか自覚できなくてじれじれさせてくる型。
ヴェー:運動部の助っ人に駆り出される系帰宅部員。苦労人枠。自分の気持ちを隠して友人の恋路の世話を焼くという難易度高い型。



 実は、最初は性別チェンジでギャルゲーにしようかと思ったのですが、想像以上に手間がかかりそうだったので、諦めました。はははは。
 

電子同人誌「でんしょでしょ!」 vol.4

でんしょでしょ! vol.4
 電子同人誌「でんしょでしょ!」最終号である第四号が発行されました。

 価格:無料

パブー(横書き版)
iPadZine(縦書き版)

 これまでに参加させていただいた創刊号第二号に続き、今回は「夜風は囁く」を提出いたしました。
 前回、前々回と同じく、校正係の皆さんには、誤変換や誤用、表記の揺れや言葉の選び方についての指摘は勿論、私が上手く文章で伝えきれていなかったところを、沢山教えていただきました。

 で。
 今回は、校正前の旧版をサイトから削除せずにビフォー&アフターとして残しておくことにしました。本文のあとに、校正係の皆さんにいただいたアドバイスの要旨も記しておきましたので、興味のある方はどうぞご覧になってみてください。サイトのインデックスの新着案内か、「電子書籍」の「電子同人誌」のページからジャンプすることができます。
(アドバイスの要旨には、原稿が掲載可能かどうかチェックしていただいた時の編集長さんのコメントも入れさせていただきました。拙作担当の校正係さんは、「あれ? こんなコメント校正の時にあったっけ?」「ていうか、初稿ってあんなに『足りてなかった』んだ」と思われるかもしれません……)
(原稿の劇的ビフォー&アフター、というならば、創刊号に提出した原稿を引っ張り出してくるのが一番いいと思うのですが、あそこまで変わってしまっていると、新旧並べる意味が無いような気がして……。だって元があまりにもダメダメ過ぎたから……)

 とまれ、自分の頭の中に存在する物語を、スムーズに無理なく読み手に伝えるにはどうすればいいのか。そういったことを考える沢山の手がかりをいただきました。
 得難い経験を、ありがとうございました!


 そして、「校正」とは別に、「でんしょでしょ!」に参加させていただいて幸せに浸れることが、もう一つ。
 そう、自作に描き下ろしの扉絵がつくのですよ!!
 素敵なイラストを描いてくださった立神さん、ありがとうございました! 作中のモチーフをふんだんに使ってくださった、雰囲気のある絵に、にやにやが止まりません!

「でんしょでしょ!」は無料ですので、どうぞ皆さん、ダウンロードしてくださいね!
 

「黒の黄昏」SS「つうこんのいちげき」


「いやあ、隊長と副隊長が、まあ、なんつーか、仲直り? したのは、俺らにとっても、とってもありがたいわけなんだけどさ……」
 奥歯に物が挟まりまくった口調で、ガーランはがしがしと頭を掻き毟った。
 ここは、ルドス警備隊詰所の二階、隊長の執務室。ノックの音からして気の進まない様子で、ガーランはエセルの机の前に立った。他愛もない世間話でお茶を濁すこと寸刻、「だから何の用だ」とのエセルの容赦ない問いかけに、半分やけっぱちで本題に突入したところだった。
「……ありがたいわけなんだけど、今度はさ、この部屋に用があってやってきたとして、その時にだな、アンタらが……、いや、なんつーか、ほら、うっかりアンタらの邪魔をしてしまわないか、とかさ、色々と悩みは尽きないわけよ」
 なんで俺が隊長にこんなこと言わなければならないんだ、と、理不尽な思いを噛み締めるガーランの脳裏に、ついさっき談話室で同僚達と交わされた会話が甦ってきた。
 
 
「確かに、これで、あの二人の顔色をびくびくしながら窺わなくっても良くなったわけだけどよ」
「今度は逆の意味で、見ていられない、って感じがしないか?」
 今更何を言ってるんだ、両片思いが両思いに変わっただけで、以前と全く同じじゃねえか、と心の中で溜め息をつきながら、ガーランは反論を試みた。
「そうか? 隊長はともかく、あの副隊長が、人前でベタベタするようには思えねえが」
「まあ、そりゃそうなんだけどさ、でも、執務室に用があっても、やっぱさ、行くの、躊躇うよな」
「だって、二人きりだろ、あの部屋で」
 ケツの青いガキじゃあるまいし、意識しすぎなんだよお前ら。そう言いたいところを、ガーランはぐっとこらえた。
「だーかーらー、彼女に限って、ないない、ないって」
「でも、隊長のほうは間違いなく調子に乗るだろ?」
 そこで思わず言葉に詰まるガーランを、同僚達がすがるような目で取り囲んだ。
「だからさ、頼むよ」
「……え?」
「なあ、ガーラン。あの二人と長時間一緒にいて平然としてられるのは、俺達の中じゃお前ぐらいなもんだ。だから……」
 
 
「――隊長にもう一人ぐらい補佐をつけて、そいつもここに詰めてりゃ、ちょっとは密閉感てか閉塞感みたいなものが薄れるかなー、と、だな……」
 どう考えても無理がありすぎる提案を、ガーランはなんとか言いきった。あとは野となれ山となれ。伝令の仕事はここまでだ、と、天井を仰ぐ。
 ふむ、と考え込むそぶりを見せたエセルは、鷹揚な態度で椅子に背を預けた。
「そうは言うが、ガーラン」
 と、にやりと底意地の悪そうな笑みを浮かべながら、「すると今度は、三人の邪魔をするかもしれない、と、悩むことになるのではないか?」
 その瞬間、ガーランの思考は真っ白になった。顔面にこぶしを喰らったかのように、目の奥で火花が弾ける。
 エセルが、にやにや笑いを収めて、怪訝そうに眉をひそめた。
「どうした、ガーラン、お前らしくない。うぶな生娘でもあるまいし、何を赤くなっている」
 と、背後の扉にノックの音が響いた。
 鈴の音もかくやな「入ります」の声を聞き、ガーランが我に返る。
「そ、そうだな、うん、も、もう一度、あいつらの話を、聞いてくるわ」
 扉の開く音に続けて、軽やかな靴音。
「ガーラン、ここにいたのですか」
「お、おうよ」
 副隊長に背を向けたまま、ガーランはじりじりと扉のほうへとあとずさる。そうして、彼女の傍らを通り過ぎるや否や、脱兎のごとく執務室を飛び出していったのだった……。
 
 


アホなネタを思いついてしまって、我慢できずに書いてしまいました。すみませんすみません。
大体、「黒の黄昏」第三部始まってすぐのあたりです。
 

「黒の黄昏」SS「キス」


 捌けども捌けども一向に減らぬ書類の山を前に、警備隊隊長エセル・サベイジはとうとうへそを曲げた。ペンを放り出した手で、褐色の髪を苛々とかき乱す。
「署名なぞ、誰にだってできるだろう」
「中身の検分も全て隊長にお任せしてしまっても良いのですが」
 事も無げな声とともに、副隊長インシャ・アラハンが更なる書類を手に執務机の前に立った。
 ぐうの音も出ず、エセルは椅子に深々と身を沈めた。閲《けみ》すべき事項を彼女が仕分けてくれているからこそ、自分の仕事が簡単な確認と署名だけですんでいるということを、理解しているからだ。
 だが、それでもエセルはぼやかずにはいられなかった。
「少し休憩を、だな」
「先ほど訓練場から戻ってこられたばかりではありませんか」
 剣術の手合わせでは、気分転換はできても、心身を休めることはできない。私は憩いが欲しいのだ、と息を吐き出してから、エセルは上目遣いでインシャを見上げた。
「そうだな、君がキスの一つでもしてくれたら、やる気が出るかもしれないな」
 有能な副官は碧眼を丸く見開き、それからこれ見よがしに肩を落とした。
 もとより、生真面目な彼女が就業中にこんなことを承諾するとは思っていない。エセルは口元に苦笑を刻むと、姿勢を正して再びペンを手にした。
 と、次の瞬間、インシャが机の向こうからすっと手を伸ばしてきた。華奢な指が、まるで壊れ物を扱うかのように優しくエセルの手をとったかと思えば、蜂蜜色の髪が視界に飛び込んでくる。
 そうして、手の甲に柔らかいものが触れた。
「……これで、やる気を出していただけますか」
 しばし言葉もなく硬直していたエセルだったが、ふう、と大きく息をついたのち、思いっきり不貞腐れてみせる。
「これだけでは、足りぬ」
「足りないと言われましても、やる気を出していただくのは、右手だけで充分ですから」
「いやしかし、疲れているのは右手だけではないぞ。頭も目も、そう、口だって……」
「それでは、書類の検分から全て隊長にお任せいたしましょうか」
「……」
 しぶしぶ抵抗を諦めて、それでもまだ未練がましく、エセルはインシャをねめつけた。
「あとで、右手だけでは物足りない、と言わせてやるからな」
「今は、仕事に集中なさってください」
 にべもない言いざまに、溜め息一つ、エセルは再び仕事の山に分け入っていった。
 
 


「キスの日」に合わせてキスネタのSSを書いてみました。
 思いっきりひねくれたシチュエーションですみません。
 

「黒の黄昏」SS「煙草」


「私にも一本くれないか」
 深夜の街角、完全に闇に没した路地の入口。不意に背後から肩を叩かれたガーランは、動揺を悟られないようわざとゆっくりと振り返った。
 月明かりを背に、ルドス警備隊隊長エセル・サベイジが、不機嫌そうな表情でそこに立っていた。
「張り込み中に煙草だと?……って、言わないんすね」
 エセルの口調を真似てみせたガーランに、当の本人は至極つまらなさそうに眉間に皺を寄せる。
「わざと見張りの存在を知らしめようとしているのだろう? 確かにお前の班には、北側から注意を逸らせよ、と命じたが、こんな露骨に、しかも独りきりで矢面に立つことはなかろう」
「残りの連中は、しっかり奥の辻子で待機してますよ」
 事も無げに答えてから、ガーランは煙草を咥え直した。そっと目を細め、ゆっくりと息を先端へ吹き込こんでいく。みるみる輝きを増す紅い光点に、懐から取り出した煙草の先を慎重に当て、火を分ける。
「そんなことより、隊長のほうこそ、一人でふらふら迷子っすか」
 返事代わりに鼻を鳴らして、エセルが渡された煙草を咥えた。か細く立ち上る紫煙が、暗闇を幽かに揺らす。
「随分いい葉を使っているな」
「そりゃあ、もう。煙草代を稼ぐために働いているんでね。俺は」
 あと酒代もね、とつけ加えるガーランに、エセルが口の端を上げる。
「お前は、本当に、素直じゃないな」
「俺はいつだって純真で素直な好青年っすよ」
 にやり、とガーランが笑い返したその時、路地の少し奥のほうで、何か――恐らく扉――が軋む音がした。どうやら、我慢比べの軍配は、ガーラン達警備隊のほうに上がったようだ。
 エセルが、不敵な笑みを浮かべて腰の剣に手をやる。
「さて、では、一仕事といこうか。お前の煙草代と酒代のために」
「何バカなこと言ってるんすか」
 ここぞとばかりに真面目な顔を作って、ガーランは剣を構えた。
「行きますよ、隊長。愛する女とこの街のために」
 意表を突かれ目をむくエセルに片目をつむってみせて、ガーランは石畳を蹴った。それを合図に、路地の更に奥から、同僚達が援護に飛び出してくる。
「まったく。何が純真で素直な好青年だ」
 やれやれ、と盛大な溜め息を残して、エセルの姿もまた混戦の中へと消えていった。
 
 
 


 先日ツイッタにて、萌える仕草とか萌える小道具とかそんな話で盛り上がりまして、あまりにも色々萌えゴコロが刺激された結果のSSです。140文字のツイノベに仕立て上げようとしたのですが、なんか色々たぎってしまって、こーんなボリュームになりました。
 

「夜風は囁く」

 お久しぶりの更新は、一年ちょいぶりの異世界ファンタジーとなりました。
 町の治安を守る警備隊員が、知り合いの助祭長に頼まれた仕事とは……?
 400字詰め原稿用紙換算60枚。

 この話は、オンライン文化祭2011参加作となっております。
 今年は、何と小説部門だけで45もの作品が参加しておられて、開催期間が12月31日まで延長される事になりました。「夜」というテーマに、二ヶ月たっぷりひたれますよv 拝読するのが楽しみでなりません。

 参加しておられない方も、是非上のリンクから会場を訪れてみてください。
 きっと素敵な物語と出会う事が出来ると思います!


 追記部分に、今回の話のメイキングというか裏話的な呟きを載せておきますねー。
 
 

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