未熟な甲虫の呟き

創作小説サイト「あわいを往く者」附属ブログ。(サイト掲載小説一覧書籍のご案内
更新のお知らせやコメントへの返信、たまに管理人の雑談が交じります。
ユーザータグ「楽園の手」の記事
2018/09/06
企画] 覆面作家企画8 後書きテンプレート 
2018/09/03
企画] 覆面作家企画8 ご感想への返信 
2018/09/03
企画] 覆面作家企画8 参加作品の感想 
2018/09/03
後書き] 「楽園の手」 
2018/05/07
企画] 覆面作家企画8 意気込みテンプレート 

覆面作家企画8 後書きテンプレート

 ようやく!念願(?)の!覆面作家企画8後書きテンプレートとまいります!!
 予告どおり長いです。でも、ここまで長くなるとは思っていませんでした。


■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス
 E07「楽園の手」
 http://hkmn.html.xdomain.jp/blocke/e07.html

 漢字変換を普段のものに戻して、若干体裁を整えたものが以下になります。
 サイト:http://greenbeetle.xii.jp/works/shortstory/hands.html
 なろう:https://ncode.syosetu.com/n4438ey/
 カクヨム:https://kakuyomu.jp/works/1177354054886893836

■ジャンル
 物凄く悩むんですが、強いて言うならSFの端っこ、FTと重なっているあたりに引っかかっている感じでしょうか……。このジャンル迷子感……。

■あらすじ
 迷い込んだ楽園で、「手」を収穫し続ける「僕」の物語。

■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。
 http://greenbeetle.blog51.fc2.com/blog-entry-942.html

■推理をかわすための作戦は?
 まず第一に、一人称を選んだこと、ですね。現在WEBで公開している小説の中で一人称のものは、掌編やお遊び短編の他は「銀色の守護者」しか無いのです。しかも「銀色~」はオネエ宇宙人もどきが出てくるコミカルなものだし、残りのはド恋愛もの。毒のある路線で一人称というだけで探偵の皆さんを攪乱できるのでは、なんて思ったのでした。
 
 次に、漢字変換をちょっとだけいじりました。「身体→体」「こぶし→拳」といったふうに。でも、これ、やりすぎると、書いている最中の違和感が凄くて、ムズムズゾワゾワしてきましてね……。
 あとから一括置換、というのも考えなくも無かったのですが、面倒になって、結局普段とあまり変わり映えのない感じで終わりました。
 
 あとは、表記のマイルールを変更しました。単語の言い換えでダッシュを使うところをコロンに。ルビは排除。強調のカギカッコも排除。
「ハイ・ウェイ」「グランド・ウェイ」は、普段なら「ハイウェイ」「グランドウェイ」って書きますね。
「モンスター」も、いつもの私なら「怪物」と書いたところです。でも、最初はフェイクのためでしたが、実際にこう表記すると、ここでは「怪物」よりも「モンスター」のほうが、より物語にしっくりくるような気がしました。それを受けて、「警報」も「サイレン」に。単語一つで雰囲気って変わるものですねえ。
 
 そして最後に、可能な限り読点を減らしました。私の場合、初稿が読点多めになる傾向があるのですが、普段以上に読点を削除しまくりましたん。
 
 逆に言うと、文章の組み立て方や並べ方、言い回しなどは普段から全然手を加えていなかったので、読点のリズムに誤魔化されなかった方にはバレバレだったと思います……。物語構成もまったくいつものノリだったし。「意気込みテンプレート」で「服を着るのを忘れているような気がします」と書いたのは、こういうことだったのです。
 
 あ、そうそう、推理の攪乱と言えば、「推理用作品サンプル集」にもちょっとした罠がありましてね。
 作風や文体を掴むためのものだから、企画提出作と執筆時期の近い、つまり可能な限り新しい小説をサンプルとしてピックアップするべきではないですか。そう思って「それぞれの条件に該当する作品の中で、一番新しいものを選」んだところ、またこれが見事に提出作とは全然方向性の違うものばかりになってしまったのです。
 
 一人称小説はそもそも持っている弾数が少なすぎるせいでもありますが、三人称小説のサンプルは、もっとシリアスリーなものだって選ぶことができました。しかし、最近書いたシリアスな物語は、ことごとく長編のネタバレが含まれるもので、一見さんでも問題なく読めるものとなると、シリーズで一番軽くて明るいエピソード。
 現代ものやFTのサンプルにしても、提出作と似た展開をしていたり雰囲気が似ていたりするものは、どれも最新作ではないんですよね……。「アルノルド・サガフィの帰郷」「林檎一つ、他は何も」「月下の虜囚」あたりがサンプルとして並んでいたら、もしかしたらもっと沢山の探偵さんに見つかってしまっていたかもしれません。あー、残念だなー、でもサンプルは新しいほうが良いに 決 ま っ て る からなー、仕方がないナー。
 
 サンプル集を前に「罠にはまるリスクを警戒」なさったアヤキ探偵、お見事でした!
 丁寧にサンプル集を読み込んでくださった藤原探偵、なんかもうホントすみません……。でも、ご感想むっちゃ嬉しかったです!

■この企画のために書いた作品、他にもありましたか?
■その作品を提出しなかった理由は?
 この二つの質問は意気込みテンプレートにもあり、私は「最初は別なアイデアをこねていたのですが、無理にオチをつけようと頑張りすぎた結果、主題が家出してしまいそうになったので、諦めてボツにしました。」と答えておりました。
 実はこの回答にも、ちょっとした引っかけがありました。
「主題が家出してしまいそうになった」からボツにした、ということから、「提出作はその逆で、主題がはっきりしている」ということが読み取れると思いますが、っていうかそのとおりなんですが、その前にある「無理にオチをつけようと頑張りすぎた」というフレーズに引きずられて、「提出作はオチが弱いものなのではないか」と勘違いしてもらおう、という、実に根性悪い作戦だったのです。
 
「GBさんって普段は結構オチをつけるタイプ……だけど今回はオチ重視じゃないよってことか。」と、キレイに引っかかってくださった塩中探偵! 嬉しかったです!(←根性悪い) でも最終的に正解引き当てられてしまいましたけど!/(^o^)\
「大仰な主題などそもそも存在しないことにして、全力で「オチ」を付けることに振り切った」のか、「主題(お題)とオチが見事なコンビネーションを達成した」のか、と悩んでくださったアヤキ探偵、お付き合いありがとうございました!

■作品のネタを思いついたきっかけは?
 いざ小説を書く、となった時、私は「どんでん返し」から物語を作ります。
 勿論、書きたいテーマ、キャラ、場面、などなど、そういった色んな材料が普段から頭の中でぐるぐるもぞもぞ蠢いているわけですが、実際に「物語」として、纏めて、整形して、それらを表に出すにあたって、なによりもまず考えるのが「ひっくり返し方」なのですね。主題を思考の真ん中に据えた状態で、何をどのようにひっくり返すか、を考える。この傾向は、単発の短編を書く時に特に顕著です。普段から「オチがつかなければ落ち着かない」などと嘯いておりますが、実は「オチがなければ出力できない」、随分と不自由な脳みその持ち主なのでした。
 
 今回、お題が「手」と聞いて、ひっくり返す先はすんなりと決まりました。特に詳しい描写をしなければ、読んだ人は何の疑問も持たずに標準的な解釈をするでしょう。それを、一言でひっくり返す。
 どんでん返しの使い方として、ひっくり返してからしばらく話が続くパターンもありますが、このネタは、なんとなく、ひっくり返したところで終わらなければならないような気がしました。
 
 で、漠然と浮かび上がってきたアイデア――現代日本を舞台に、怪我で入院している若い男が自分に素直になれなかった結果、理解者(恋人)を失う――をこね回していたんですが、どうにも、ひっくり返すシチュエーションに持って行くのが難しい。「わざわざソレ持ち出さなくても、コッチ使えばいいやん」とか「最後の最後までソレにノーコメントってどうよ」とか、展開の穴が全然塞がらないんです。そればかりか、「そもそもこの物語でソレひっくり返す必要無くね?」という根本的な疑問まで生まれる始末。
 三日ほど悩んで、「こりゃダメだ」と潔く認めると同時に、気がつきました。憧れの覆面作家企画に参加するということで、ちょっとエエカッコしようと頑張り過ぎていた自分に。深い人間ドラマとか、ちょっと格好つけすぎでしたわ……。
 
 で。
 いつもどおり自分が萌える(燃える)ものを書こう。お題が「手」なんだから、手フェチ全開で手を描写したい。一人二人分とかケチなこと言わずに沢山書きたい。いっそ畑に植わっていてもいいかもしれない。あー、なんか、人の手みたいな形をした柑橘類があったよなー。仏手柑かー、でも言うほど手っぽくないなー。もっと本物の手みたいな、食べるのにむっちゃ抵抗感のあるやつは無いかなー。無いなー……。
 ……無ければ作ればいいのでは???
 
 とまあ、そんな感じで、オチにベストマッチなネタが降ってきて、今回の提出作となったのでした。

■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。
 ネタが降ってきてからは、気持ちがいいほどするするとプロットが組み上がりました。
 苦労したのはなんといっても、ひっくり返すまでソレを内緒にしておかなければならないところですね。嘘を書いてしまっては興ざめですから、嘘にはならないように。そのものを描写するのではなく、動きや動作を記すことで、読んだ方が脳内に標準的な映像を描いてくださるように頑張りました。
(こうやって、叙述トリックの技だけが鍛えられていく……)

■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。
 主人公が元いた世界について、もう少し文字数を費やすところだったのですが、バランスが悪いな、と思って省きました。他はプロットどおりでしたね。

■その作品の続編または長編化のご予定は?
 無いです。短編用の一発ネタとして考えたので。

■その作品で気に入っている箇所はどこですか?
 一番は、やはりどんでん返し。あの瞬間のためにこの物語を書いたといっても過言ではありません。
 
 次は、なんといっても「手の生る木」ですね。
 手というものの何が好きかって、表情豊かなところが大好きなんですよ。そんな人間らしさの塊みたいな「手」を、単なるモノ(しかも食べ物)として描写するのは、頭の普段使わない部分を使ってる感じがして楽しかったです。
「手、よ。この、機械以上に機能的で~」のくだりとかは、まんま作者の感想ですね!
「手」の味は、敢えて描写しませんでした。「ザクロのような赤い実」という見た目の表現から、甘い味を連想されるかと思っていたんですが、そういうわけではなかったみたいなのが興味深かったです。
 
 一人称を選んだのは、もともとは覆面をかぶるためだったのですが、主人公の思考を表すのにとても便利でした。感情移入してもらいやすいという利点を逆手にとって、違和感、もっと言えば嫌悪感を抱いてもらおうと思っていました。それなりに成功していたみたいで、本当に嬉しいです。

■推理期間中、褒められた点は?
 エグいとかグロテスクとか容赦ないとか、この物語にとっては最高の褒め言葉です、ありがとうございます!
 あと、美味しそう、食べてみたい、というお言葉もいただきました! ようこそ楽園へ!(すしざんまいのポーズ
 描写力、構成力、発想力。常日頃から求めてやまないものばかりなので、多少なりとも進歩しているんだな、と本当に嬉しく思いました。

■推理されてみて、いかがでしたか?
 皆さん、びっくりするほど丁寧に読み込まれていて、「お……おお……すごい……うれしい……」と奇声を漏らしながらツイッタや推理記事を拝読して(いやもう本当に拝まんばかりの勢いで読んで)おりました! 本当にありがとうございました!
 
 感嘆符疑問符の全角半角に注目してくださった、アヤキさん、冬木さん、藤原さん。私は執筆時は記号を全部全角で打っているのですが、サイトのHTMLを作る時だけ、テキストエディタのマクロを使って、感嘆符や疑問符が二つ連続する箇所だけそれぞれを半角に変換しているのでした。まさかの天然フェイク……。
 
 森崎さんと冬木さんは、「分かる」をチェックしておられましたね。まさかそんなに平仮名派がいようとは夢にも思っておらず……。(ファン文庫さんの校正でも、「分かる」は平仮名に開かれましたわ……そうか……)

ご感想への返信」でも書きましたが、於來さんが指摘なさった「つぷりと」は、本当に無意識でした。でも、ああいう時って「つぷり」って感じじゃないですか? 皆も「つぷり」を使おう! つぷり振興委員会!
 
 藤原さんに指摘されるまで、「別な機会」が特徴的表現とは思っていませんでした。そうか、確かに「別の機会」って書くほうが一般的ですね。GBはひとつかしこくなった。
 
 地の文で感嘆符を使うの、塩中さんが気にしておられましたが、あれは私も「これはちょっと手掛かりになってしまうかも」って自覚していました。今までに同じような用法で何回か使ったことがあるので。でも、その何回かを探し出せる人なんていないと思ったし、何より、あそこには!感嘆符が!必要だと思ったのでした!
 
 推理記事を公開しておられる中で、私を見破った方は、於來さんと塩中さんと森崎さんでした。「最終推理アンケート」によると、E07で私に投票した方は四名ということなので、もうお一人名探偵さんがどこかにいらっしゃるんですね。お見事です!

■あなたの作品だと推理された作品はありましたか?
 以下、「第一印象/最終推理」というふうに投票人数を記します。
 E03機械細工職人と機械義手 1名/1名
 E05キズアト 0名/1名
 E06幕張でバーチャルアイドルミゾレと握手 2名/1名
 E09夜の谷で 1名/2名
 E10夢の異世界ダンジョンへGO! 2名/3名
 ちなみにE07は2名/4名……なんだかんだ言ってしっかりバレてますね……。
 
 E03は、機械細工や職人に師弟といったあたりが私も好きな題材だったので、さもありなん、と頷いてました。E05もE09も「私もこんな話書きたい!」って思いましたね。E06で名前を挙げていただいたのが、すごく光栄でした。私もこんな風に書けたらいいなあ……。そしてE10! 何人もの方が早くから私の名前を挙げておられたのを見ていたので、なんだか他人の作品のような気がしませんでした。ていうか、本当にこのノリ大好き。

■あなたの作品が他の方の作品だと推理された作者さんはいましたか?
「楽園の手」の作者では、と名前を挙げられていた方は、
 第一印象時点で、ウルさんと青柳さんが1票ずつ、森崎さんと神儺さんが2票ずつ。
 最終推理時では、だもさん、菜宮さん、森崎さん、神儺さん、天崎さんに1票ずつ、青柳さんに2票、入っていました。
 私入れて7名の名前が挙がった、最終推理でのこのバラけ具合。沢山の探偵さんを惑わすことができたんだ、と、大喜びしております!(←根性悪い)

■推理してみて、いかがでしたか?
■あなたの正解率、どのくらいでしたか?
 色々と忙しくて、推理する時間が取れませんでした……。
 ただ、お知り合いの、特に今までに複数の作品を読んだことのある作者さんについては、「これじゃないかな?」とふんわりと予想しておりました。糸さん、冬木さん、藤村さん、青柳さん、菜宮さんは、予想どおり。VeilchenさんはB01とB03とで悩んだんですが、既読作のホラーの印象が強くて外してしまいました……うう、残念。
 他にも、過去にオンライン文化祭や夏祭りでご一緒した方がいらっしゃったんですが、やはり一作二作読んだだけではさっぱりでしたね……。探偵の皆さんの凄さとありがたさに心から感服いたします。

■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?
 一つのテーマから生まれる作品の多彩さ。人の数だけ物語があるんだなあ、とあらためて思いました。
 そして、小説というものの奥行きの深さ。自作に対する分析・推理が勉強になるのは勿論のこと、他の方の作品に対するものも、とても興味深かったです。ていうか私って小説を読んでる時、本当に「好きやで」「萌える」「おおおお」「ああああ」としか考えてないんやなあ、って……orz
 
■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。
 もう全作品上げたくなる勢いなんですけど……!
 とりあえず、「感想一覧」にリンク貼っておいて、拝読した時の心の叫びが特に大きかったものを、各ブロックから二つずつ挙げますね。
 
 A07最果ての巫女:美しい……! 文章のご馳走です!
 A10ハンスと五本指の魔法:実に端正な童話だと思いました。
 B02フーガには二つ星を連ねて:森の景色が、人ならぬ存在が、幻想的でツボでした。
 B07イハンスにやらせろ:どんでん返し、気持ちよかったです!
 C01その手が隠したものは:中二病の破壊力よ……!
 C02月下鴨川、モノノケ踊りて、絵師が狩る。:シリーズ化して、本屋さんで売ってそう。ていうか売れますよこれ。
 D02神の庭:是非とも長編で読みたいです。
 D06ヴォストーク・デイ:寒さの描写の容赦のなさ。ペンギンで締めくくる冷たい優しさ。
 E02五月の庭、蕾の君は目を閉じたまま:緑の庭が目に浮かぶようでした!
 E05キズアト:延髄蹴りに心を持って行かれました。

■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。
 A01糸子教授の人生リセット研究所:パワーワードすぎますって。
 A04地面に手が生えていた:拝読するまで、「えっ、もしかしてネタかぶり? 畑? 畑から手が生えるん??」って、勝手に焦ってました。
 B09手の行く方へ:「手」が「行く」というシンプルなミスマッチに惹かれました。
 B10ローマでも長安でも洛陽でもない、ある都の休日:ここにローマが入ってくるところが好き。
 E04飲み干す残滓:「飲み干す」のつよさ。
 E06幕張でバーチャルアイドルミゾレと握手:これは気になるでしょう!
 E10夢の異世界ダンジョンへGO!:企画の〆に相応しいタイトルだと思いました。俺達の戦いはこれからだ……!

■参加作品の中で面白かった3作品&一言感想、お願いします。
 B03ジャクリーンの腕:凄い。
 C04なにも宿らない:むっちゃ好き。
 C09プディヤの祈りは銀の蝶になって:最高。
 語彙は家出しました。
 
 あァでも、ここに挙げなかった作品もどれも本当に面白くって読み応えがあって、この企画に参加して良かったと思います!
 
 
 びっくりするほど長くなってしまいました……。なんか、質問込みで7000字超えてる……。
 ここまでお付き合いくださった方、お疲れさまでした、ありがとうございました!!
 
 最後に、素敵な企画を運営してくださった主催様に、心からの感謝を捧げます。


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覆面作家企画8 ご感想への返信
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覆面作家企画8 ご感想への返信

 覆面作家企画8掲示板に書き込ませていただいた返信を、記録がてらこちらにも転記しておきます。この一箇月間、掲示板に書き込んだ方が私以外に誰もいらっしゃらないので、こうやって一箇所にまとめたほうが見てもらいやすい&探しやすいかな、とも思って。
 こうやって一箇所にまとめるにあたって、それぞれの書き込みからご挨拶の一文を省かせていただきました。悪しからずご了承ください。
 
 皆さんの感想&推理記事にリンクさせていただいたのは、私が思い立った時に読み返して幸せに浸るためです(正直
 あと、私の短編から企画を知ったという方にも、この覆面作家企画の楽しさを手軽に追体験していただけたらな、と思って。
 アッ、しかし、リンク先のご感想の前に、まずはこちらから参加作をお読みになることをおすすめします! ネタバレが含まれるご感想もありますので。
(そして、我がEブロックをお楽しみいただいたあとは、是非とも他のブロックもどうぞ! どれも6000字までの短編で読みやすいですし、なにより、本当に面白い作品ばかりなので!)
 
 それでは、拙作、E07「楽園の手」にいただいたご感想へのお返事です。
 
 
アヤキリュウさん ご感想&推理
 
ツイッタでも、アヤキさんの呟きを読むのがとても楽しかったです。「冗談の通じる人」というよりも、冗談を常識の薄皮で包んでなんとか一般ピープルとして取り繕っている(つもりの)人間(しかも構われたがり)なので、色々言及していただけるのが物凄く嬉しかったです!
 
推理用作品サンプル集の罠と、提出しなかった作品についての罠(!)については、のちほど後書きテンプレートを使用して色々自白しようと思っております。エヘヘ
 
>地面でキラキラしている木漏れ日や頬を撫でる風のことを描写してしまう
私ごときが「ファンタジー書き」を名乗るのは畏れ多いと思いつつ、でも、これは「むっちゃ分かる」と思いました。ええ、現代もの書いていても、木漏れ日や風は逃しませんね! ふと、今、自分が田舎育ちに田舎住まいだからかな、なんて思いましたけど。

>「足フェチ素晴らしい!」
特に膝からくるぶしにかけての関節と骨と肉付きの形状、素晴らしいですよね! 踵から土踏まず、上足底のカーブも素敵です。でも、それ以上に私は [#二倍角フォント]手 フ ェ チ[#二倍角フォント終わり]なのでした。
 
>機械細工の作品そのものに関する描写を増やしそう
鋭い……! と画面のこちら側で頷きまくっておりました。ええ、私は機械フェチでもあるので、書くとなったらシツコイぐらい描写したことだと思います。
 
E7の分析、興味深かったです。冒頭で確かに木漏れ日またたいてた! ってむっちゃ焦りました。
E10のノリは私も物凄く好きだったので、作者として名前を挙げていただいて嬉しかったです!

 
森崎緩さん ご感想&推理
 
まさか「分かる」派がブロックに二人だけとは思っていなかったので、完全に死角から脇腹をつつかれた気分です……。普段とは違う漢字変換を敢えて使った単語もあったんですが、まさか「分かる」から足がつくとは……。
というのも、実は、普段から私、「わかる」に関しては「理解する」という意味を強調したい時は「解る」と、判別するという意味を強調したい時は「判る」と、複数使い分けているのです。今回の主人公がもう少し理解したり判別したりしてくれていたら……、って、そうだったら、攪乱させられるどころか余計に確証を提供したことになってましたね、はい。
 
正解に到達されるために、どんなにしっかり読み込んでくださったんだろう、と、頭のさがる思いです。ありがとうございました!
そして、あらためて、逃げ切りおめでとうございました! 見事なワザマエ、ご一緒できて嬉しかったです!

 
並木空さん ご感想
 
「食べるの!?」と驚いていただけて嬉しかったです。まさにあの箇所で、そう言っていただこうと画策していたのですよ。
描写力もお褒めに預かり、光栄です。荒唐無稽な舞台立てな分、情景をしっかりお伝えできてよかったです。
仰るとおり、彼は、「手」を食べることで心のうろを埋めようとしているのだと思います。読み取っていただけて、とても嬉しいです!

 
藤原湾さん ご感想 推理
 
我ながら悪趣味だな、と思いながら、突っ走ってしまいました。怖さを感じていただけて大喜びしております。
鳥は……無邪気ですよね……。こっちもイケル、ってなったのかな、とか、骨は邪魔じゃないのかな、とか、落ち着いて考えると気になることが山盛りです。
色々思いを巡らせていただいて、嬉しかったです!

推理もありがとうございました!
ええ、関西人だからなのかは分かりませんが、オチをつけるの大好きです、っていうか、オチがないと落ち着かないです。
また後日に後書きテンプレートに書くつもりですが、覆面全裸での参加でした。覆面も、ちょっとかぶり方が甘かったので、良い視界を確保できた方(森崎さんとか於來さんとか)には、素顔も丸見えだった模様です……。
そして、「別な機会」には全く自覚がありませんでした……! これ、もしも類似フレーズを使う場面があったら、完全に大きな手掛かりとなっていたと思います。

サンプル集の短編を全て読んでくださっただけでなく、一作ごとに丁寧なご感想までいただいてしまって、すごく嬉しいです! 「可愛い」「楽しい」というお言葉に大喜びしたり、……若干の罪悪感も覚えたり……。これもまた、後書きテンプレートに記す予定なのですが、実はサンプルの選び方にちょっと偏りがあったのです……。いえ、私は、杓子定規に自分の設定したルールのとおりに選んだだけなのですが(しれっと
E10のノリはホント私も大好きで、他にも私の名前を挙げてくださる方が複数いらっしゃって、なんだか他人とは思えない気持ちで開催中を過ごしていたんですよ。いやもう、とっても楽しかったです!

 
冬木洋子さん 推理1 推理2 推理3 推理4 まとめ
 
>GBさんの作風はけっこう掴んでると思うし、変換等の癖も大量に収集したはず
前半にむっちゃ喜んで(だって、それだけ拙作に親しんでくださったってことですから!)、後半にガクブルしておりました。収集、というワードのつよさよ……。冬木さん本気や……本気で当てに来てはる……、って。
 
>GBさんキャラはよく、肩を落としたり肩をすくめたりすぼめたりする
「ええまったく、バレバレですね」とGBは肩をすくめた。
この他の文章の特徴もしっかり把握されておられて、流石だなあ、と感服しておりました。
 
>GBさんの大学生は、たぶんもっと大人
これは、たぶん、ひねくれた奴ばかりだからと思います……永遠の中二……\(^o^)/
 
菜宮さんの「荒野のニンジン」未読だったんですが、今回読ませていただいて、主催さんのブロック分けの妙に唸ってしまいました。なんというE07との親和性の高さよ……! GBは盾を手に入れた!
それでも、結果発表後に「見事な隠れっぷり」と言っていただけて嬉しかったです。「06も08も09も10もGBさんではない! と見破れた自分の『GBさん判定眼』」というお言葉も。ああ、幸せ。
 
ツイッタでも、他の探偵さんがたと話題にしてくださっているのを拝見して、ひたすら喜んでおりました。ありがとうございました!!

 
歩く猫さん ご感想 推理
 
ご感想の
>了解される
のお言葉に、ああ、受け取っていただけたんだな、と、なんだかとても嬉しく思いました。
続く状況分析、とりわけ
>自分の物語に感動することからも解放されてしまった
というフレーズには、ハッとさせられました……。楽園に歩く猫さんをお招きできて嬉しいです!
 
E10のあの楽しいノリは私も大好きなので、作者として挙げていただけたことに喜んでおりました。炸裂するリビドーにも、誘い合わせて富士夢見ランド行きそうなメンツにも、「まったくそのとおり」と思います! ブロック分けの妙!
嬉しいお言葉の数々、ありがとうございました!

 
川辺都さん ご感想
 
「手」に対する歪んだ愛情をドーンと前面に出した、グロテスクでサツバツな物語でしたが、実はそこは前フリで、一番書きたかったのはあの展開そのものだったのです。しかと受け取っていただけて大喜びしております!
元いた場所も、楽園も、彼にとってはともに空虚な世界なんですが、楽園には「手」がある……のでした。
やるせないとのお言葉がとても嬉しかったです!

 
於來見沙都さん 推理1 推理2 推理3
 
最初、ツイッタにてイキナリ
>GBさんを収穫
と呟かれているのを見た時は、「まさか!」って無茶苦茶びっくりしました。見破られたことに対して驚いたというよりも、「好み」とか「素敵」とか言っていただけるなんて思ってもいなかったので、何度も「E07って書いてあるし、シュールともあるし」と確認してしまいました……嬉しかったです……////
 
一体どこから足がついたんだろう、とドキドキしていたら、推理記事で過分なお言葉までいただいてしまって。ありがとうございます、光栄です。
そして、そして、「つぷりと」!! これ実は書いている時は完全に無意識だったんです。於來さんのご指摘を受ける数日前に自分でハッと気がついて、「これ、かなり特徴的な物証になるのでは……」とドキドキしていた矢先の指摘だったので、もうヤラレタ感が半端なかったです……お見事です……!
 
実は、魔が差すなどして途中でお考えが変わらないかな~、などと虫のいいことを願っていましたが、ツイッタにて「楽園×GBさん説は最初から最後まで譲らない覚悟」と仰ってるのを見て、「わが生涯に一片の悔いなし……!」ってなりました。
いやもう、本当に楽しかったです!

 
塩中さん ご感想&推理
 
ツイッタでも一度我慢できずに呟いておりましたが、私、塩中さんの推理記事がとても好きで……(突然の告白
いえ、他の方の記事だってどれも楽しくて大好きなんですが、特に塩中さんの記事では、繰り広げられるボケツッコミに対して、私の頭の中の相槌マンが凄くいいタイミングで「それな」とか「せやで」とか反応してくれるのが気持ちよくて、そんなわけでEブロックの記事もとても楽しく読ませていただきました。
 
手の描写には、それはもうちからを入れて取り組みましたので、官能的と言っていただけて嬉しかったです。あくまでも果物です、という扱いと合わせて、主人公の抱えた歪さを意識して書いたので、「動揺しながらも先に読み進めてしまう」というお言葉に大喜びしておりました。
「別の「ある日」」の可能性に言及していただけたのも、嬉しかったです。
 
推理での私の文章の特徴について、「どうしよう系は2回」は何となく「ああー」って思ったんですが、「髪の毛さらさら」は今まで気にしたことありませんでした……。さらさら……確かにごわごわくるくるはあまりしてなかったかも……。
意気込みテンプレートの今回提出しなかった作品については、実はちょっと引っかけを目論んだ書き方をしていたので、また後日後書きテンプレートに記したいと思います。
 
「ワイルドカード」と言っていただけたの、光栄です。「なんでも書けそう」だなんて、嬉しすぎます。とても勇気づけられました!
 
ところで、
>「紅玉摧《くだ》かれ砂と為る」の2話(ルウケの館)にて特徴的な読点を見つけた……GBさん、E07楽園の手もあり得るか?
が気になって気になって仕方がありません。もしよろしければ後学のために教えていただければ幸いです……。実は今回、何を一番フェイクかけたって、読点の打ち方だったんですよ……。なのに読点から足がつくとは……。
 
これがヴェル探偵スオリジナル……噂通り、実に甘くてクリーミーでした。ご馳走さまでした!
 
追伸。
「      」はドラッグ反転試みてしまいますよね! これはきっと本能です(真顔

 
enuさん ご感想
 
ツイッタにて、周辺読了などとても盛り沢山な感想を流しておられるのを拝見しながら、Eブロックに来られるのをわくわくしながらお待ちしておりました。
 
>この容赦のなさ、すごい。
のお言葉が、とにかく嬉しかったです。仰るとおり、主人公は「怪物」になったのだと思います。いや、或は、前の世界にいた時から既に。楽園に来たことで、それが露呈してしまったのでしょう。
「自立の幻想」については、そこまで深く考えていなかったので、ただただ恐縮するばかりです。が、確かに、主人公がこの状況に「甘えている」ようには描きました。楽園だ、と声高に勝鬨を上げているものの、ほんの少しバランスが狂えば、見事に瓦解してしまう脆い世界。
enuさんに彼を突きまわしていただけて、とても嬉しかったです。この物語を書いた甲斐がありました。ありがとうございましたー!

 
moesさん ご感想
 
怖い、と言っていただけてガッツポーズしておりました。
「それなりに平和」な主人公の様子と、なんともグロテスクな絵面とのギャップに、読んでくださった方には是非とも怖気を感じていただこうと頑張った(趣味が悪くてすみません!)ので、とても嬉しいです(やっぱり趣味が悪くてすみません……)。
最後に主人公の気持ちを思い遣ってくださったのも、嬉しかったです!

 
木菟みるくさん ご感想
 
そうなんです、手は「手」にしか見えないんですよね。
とにかく沢山の手を描写したかったのと同じぐらい、この事態の流れを描き出したかったので、「見事」と言っていただけて本当に嬉しいです!!
決め台詞、「まさしく」の一言に思いのたけを込めました。受け取ってくださってありがとうございました!

 
盲管さん ご感想
 
手について「優雅で繊細でどの動物にも似てな」いというお言葉に、何度も激しく頷いておりました。どんなにか、ツイートに「いいね」したかったことか!
「食べてみたい」と言っていただけたのも嬉しかったです。
味については敢えて描写していなかったので、読んだ方がどういうイメージを受け取ってくださるのか、とても楽しみにしていましてね。「ザクロのように」という見た目に関する描写に引きずられるかな、と予想していたところ、ツイッタで「トマトやなすびみたいに」と仰っていたのがとても興味深かったです。鮮やかな青空が、夏のイメージを運んでくれたのかもしれないな、などと一人勝手に想像を巡らせておりました。とても楽しかったです!

 
桐央琴巳さん ご感想&推理
 
色鮮やか、に、艶やか、とのお言葉に大喜びしております。名を「呼ばれたことはあったのだろうか」というご感想にも。描きたかった情景は勿論のこと、更にその奥まで見ていただけて嬉しいです!
解放感と狂気。まさしく、彼をかたち作っているものに他なりませんね。
 
そして、覚え書き。拝読しながら「えっ、あっ、すごい、もしかして桐央さんって、むっちゃ同士!?」ってワクワクしていたら、最後の行にヤラレました。はい、そうです。手フェチです。全裸覆面の自覚はありましたが、ここまで丸裸にされてしまうと、ホント照れますね……////
見事なプロファイル(?)でした。まいりました!

 
三樹さん ご感想
 
ディストピア感がきちんと伝わっていてホッとしました。文字数の関係もですが、何より一人称の不自由さのせいで、描写にあまり文字数を割けず、元の世界をどう書き表すかかなり苦労していたのです。
疑問からの解答、ポジションの反転、まさしく、私が描き出したかったとおりです。受け取ってくださってありがとうございましたー!

 
五十鈴スミレさん ご感想
 
描写力も構成力も、日頃私が求めてやまないものなので、すごいと言っていただけてひたすら喜んでおります光栄です!
感じとっていただけたとおり、今回は、カードを一枚ずつテーブルに並べるようにして主人公の抱える歪みをじわじわと明かしてゆくスタイルを選びました。
>引きずられるようにして
のお言葉が無茶苦茶嬉しいです! ありがとうございました!

 
骨平正樹さん ご感想
 
手の描写、すごかったですか! 読んだ方には、是非とも、なんとも嫌ーな気分になっていただこうと思っていたので(悪趣味ですみません)、成功してとても嬉しいです!
>後に残る不安ごと好き
と言っていただける幸せ。ありがとうございました!

 
彩真創さん ご感想
 
伏線を張り巡らせるの大好きなので、すごいと言っていただけてむっちゃ嬉しいです!ヤッター! 背景描写に発想力まで! 出オチからの全力疾走、しっかり走り抜けることができていたみたいで、胸を撫でおろしています。
仰るとおり、過去のアレコレをアレに仮託しておりました。受け取っていただけて良かったです!

 
天崎剣さん ご感想
 
主人公の目線を思いっきり意識して描写することで、逆に彼の歪さを感じとっていただければいいなあ、と思っていたので、「エグい」とのお言葉に大喜びしております!
「狂ってる世界」との評も、「生き延びる」という単語を選んでくださったことも、そして何より発想を褒めていただけたことがとても嬉しいです。ありがとうございました!

 
だもさん ご感想
 
物語の構造については、仰るとおりです。ちょっと分かりにくいかな、と自分でも思っていました……が、「ま、いいか」と投げてしまう悪い癖が出てしまいました……。サイト公開の際は、冒頭の一段と次の一段の間に分かりやすい区切りを入れてみることにしますね。
飽きる、という意見には、首がもげるほど同意いたします! 普通は飽きますよね! でも彼にとっては、元の世界は飽きる以前の問題だったんですよね……。
ええ、彼ならきっと大丈夫です。なにしろ、やる時はやる奴ですからね!

 
神儺さん ご感想
 
「いい読後感」に始まる殺し文句の数々に、喜びのあまりふにゃふにゃになっておりました! むっちゃ照れます、嬉しいです!
実は、アイデアのとっかかりは「仏手柑」だったのです。でも、それでは足りない、と思ったんです。まさに神儺さんの仰るとおり!
ファーストインプレッションについて、こんなサツバツとした物語で申し訳なく思っていたので、ホッといたしました。私のほうこそ、光栄です! ありがとうございました!

 
菜宮雪さん ご感想
 
外から見れば、間違いなく「エグイ情景」なのですが、主人公にとっては全然そうではない、という齟齬が、今回の舞台立ての肝でした。しっかり受け取ってくださってありがとうございます。流石です。
淡々と。でも容赦なく。そう思いながら夢中になって書き進めていました。ゾクッとしていただけて嬉しいです!

 
 
 皆さん、ご感想ならびに熱の入った推理をありがとうございました!!
 
 ちなみに、ツイッタにて交わされた呟きについては、覆面作家企画8 Eブロックのツイートまとめにまとめてありますので、興味のある方は是非こちらも覗いてみてください。


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覆面作家企画8 参加作品の感想

 今更ながらの覆面作家企画8の感想です。
 A~Dブロックはツイッタで呟いたものの転載です。推理期間中に企画サイトの掲示板に書き込んではいたのですが、記録としてこちらにもまとめておきます。
 自分が潜伏していたEブロックについては、正解発表(7月8日)後に呟こうと思っていたものの、あれやこれやで実生活が立て込んでしまって、結局今になって直接この記事に記しているという次第です。
 いいねん、後夜祭だから。独り後夜祭。寂しくなんかない。

 感想は、未読の方への宣伝も兼ねてネタバレを避けたゆるーいものになっております。
 どれも6000字までの短編で、本っ当に面白い作品ばかりだったので、企画に参加しておられなかった方も、是非ご覧になってください!


A01 糸子教授の人生リセット研究所
「人生リセット装置」というパワーワードよ……。糸子教授の、上品で「純粋」な紙一重感がツボだった。なるほど、リセット。手は口ほどにものを言う。

A02 アフロディーテーの手
パートナーが遺した家事兼介護型AIを介して辿る思い出の日々。懐かしさや愛おしさといった想いとは別に、どこか張り詰めたような気配を感じるのは、AIの倫理規定のせいだろうか。
これを書いたのは、滑り込み組の人かな?とちょっと思った。

A03 導かれた先は
電車に揺られている兄と妹。妹にちょっとした推理を披露する兄といい、『怪人二十面相』を図書室で借りたという妹といい、二人とも前途有望(?)だw 兄の語る推理論に、覆面企画参加者としては姿勢を正さずにいられなかった。
「貴也」と「兄」の使い分けが気になる……

A04 地面に手が生えていた
タイトルのインパクトがスゴイ。書き出しもスゴイ。肘から先 オン ザ 夜の道。ホラーにしては雰囲気が軽い、でもうっすら汗かいてるとか、やっぱり怖い、と頭の中が大変なことになっている間に、あれよあれよと到達したオチは、別な意味で怖かったw
個人的に、女の子が用意した「いろんな道具」の詳細が気になるw 手が消えたあとの地面の様子も。
場面の区切りが「◇◇◇」……というのは、いくらでもフェイク入れられると思うから、手掛かりにはならなさそう。

A05 現代人外住宅事情
ガチなホラー来た! と思いっきり構えて読んだら、イイ感じに肩の力を抜かされました。ええ、イイ感じに……。作者さんの手のひらの上で踊らされた感。まさかのアップデート発言が好き。
服装の描写から、女性の作者さんかな、と思いました。って、全然絞り込めてねえ。

A06 魔女と秘密の88手
お化け屋敷と呼ばれながらも、庭が隠れんぼに絶好の場所として小学生に人気な無人の洋館。いいなあ、私もこういう場所で遊びたかった。一人称で、これみよがしな自己紹介が無いにもかかわらず、語り手の少年の外見から性格までもが自然と伝わってくるのがスゴイ。
最後の段落は、読者への挑戦状? 88に+8??? 今のところまったくピンと来るものがないので。他の方の感想や推理を参考にしつつ、あとで落ち着いて考えよう……。

A07 最果ての巫女
悪霊や魔物といった森の脅威から王国を守るため、うらびれた最果ての神殿に住まう巫女姫と、彼女が助けた魔物との、交流譚。台詞も描写も濃密で、文字数以上の物語が頭の中に注がれるのが気持ちいい。梟出生の様子を語るくだりとか、まるで舞台を見ているかのよう。
じっくりと執筆時間をとられた方なんじゃないかな、と思う。ていうか、このレベルの情報の取捨選択を、即興で、或は直感的に出来るとしたら、ほんとすごい。爪の垢ください。

A08 巡り巡って
親戚の話し合いの間、渦中の七歳のナツキを預かる、二回り以上年上のお兄さん。ゲームしたりお昼食べたり、ほのぼのとした二人の交流の隙間からチラ見える、なんとも入り組んだ人間関係に唸ってしまった。タイトルの意味はそういうことなのか……な?(自信なさげ

A09 手を貸した話
たかが夢、されど夢。手を貸してほしい(物理)って、怖いよ、絶対怖い。ですます調の語り口が実にイイ距離感で、最後にゾクリとさせられた。
文体、フェイクなんだろうなあ。謎の声を二重カギカッコで括るのも、あまり珍しくない手法だし。……つまり、何の手掛かりも見つけられなかった、と。

A10 ハンスと五本指の魔法
童話調の、とても上手くまとまった物語。「片手間」と言う善行に対する「片手程度の」手助け、という流れが楽しい。どんな魔法が助けてくれるのか、わくわくしながら読み進めた。楽しかった!
これも文体はフェイクだと思う……。副詞の「どんどん」を「どんどん『と』」って書いてしまっているのは、今回だけのうっかりミスか、それとも普段からそうなのか。

A11 黄昏時にその店は開く
子供の頃、料理するお母さんの手を「魔法の手」と思っていたという主人公が、今度は自分がその「魔法」をふるう。なんとなく、最近耳にする子供食堂ってこういう感じなのかな、と思った。そして、お腹がすきました。
単語の言い換えに使うダッシュ「――」は前側の一つだけ。でもこれもフェイクかも。


B01 ――ス・ガ・ル・テ
最初から最後までガチで怖いやつだった。無数の手が縋りついてくる克明な描写は、夜に読んだらアカンやつ。食い入るように読み進めるうちに、恐怖の質がじわりと変化していくのが、また怖い。幾重にも絡み合う感情は、物凄くドロドロしているけれど
構成が整っているので、読みやすかった。
タイトルのダッシュ「――」がSJISではないのは、ページ作成した主催さんの仕事なのか、作者さんの仕事なのか。

B02 フーガには二つ星を連ねて
いわくありげな古塚の前フリからの「退屈しのぎに昔がたり」。いいですね、こういう展開大好きです。物語の展開も、語り口も、雰囲気も好み。人ならぬものと生と死のふちで交わす契約。仮押さえっぽいあたり、随分と良心的だな、と思ったけれど名前がトリガーになっているのかな。「手」のくだりはもう少し読み込みたいところ。
句点のあとにスペースが挿入されているの、フェイク? 参加者の皆さんの最新作に、こういう書き方の作品は見つからなかったけど、見落としている?

B03 ジャクリーンの腕
義肢師の師匠と弟子と、高名なピアニストの物語。物語の構成がとても美しくて、これは是非とも、一切の予断無く読んでいただきたい……! 芸術とは、人間とは、といった深みにはまるのも心地よいです。我ながら、嗜好がだだ漏れですよ。いつものことです。

B04 マリー・アントワネットの手を取って
少女の怒濤の語りが、ほんと自然で、とても「らしく」って、小気味よい。過去を振り返り、更にここから前へ進むように、語られる彼女の言葉のなんと力強いことか。激動の時代を生きる、少し勝気な女の子の姿が見えるような気がした。

B05 赤い手 白い手
高台にある名家に引き取られた「ぼく」の物語。赤い手から、白い手へ、その劇的な転換が素晴らしい。視点を変えると景色はここまで違ってしまうのか。最後まで「ぼく」の名前が出てこないという事実が、とても切なかった。

B06 手児奈物語
時は平安(たぶん)、ゆえあって宮仕えを退いた真間君のもとに、風が届ける贈り物。漢詩だったり絵画だったり古歌だったり、このあたり、しっかりとした素養がなければ書けない物語だなあ、と感心しきり。優しい語り口が、春の景色と相まってとても素敵だった。
物腰穏やかで知的かつ理性的に見える三人なだけに、このあとの展開が大変気になります……気になります……!

B07 イハンスにやらせろ
ガラス工房の徒弟イハンス。タイトル回収に繋がる、とある事実が明らかになった瞬間がとても気持ち良かった! 思わず読み返して、伏線を確認してしまった。なるほどなあ。ガラス窯やパン窯の様子から世界観がしっかり伝わってくるのも楽しかった。

B08 花咲と白い犬
あやかし退治の跡継ぎの少女と、彼女が祖父から譲られた白い犬の物語。軽妙だったりシリアスだったり、と話の展開に合わせて変化する筆致に浸っていたら 全 裸 に全部持っていかれたw 初任給は結局どうなったんだろう。これも、このあとの展開が気になります!

B09 手の行く方へ
「君は手が歩くのを見たことがあるかい?」この書き出しに心が鷲掴みにされました。日常と非日常の垣根がほんのひととき緩む、民話や昔話みたいな物語。たまには仕事を意味なく休みたくなる時ってあるよね、あります(こぶしを握り締める)

B10 ローマでも長安でも洛陽でもない、ある都の休日
古代中国、つましい暮らしを送る李に突然届けられた召喚状は、傾国の妖姫によるものだった。本格的な歴史ものキターと思ったら、いきなり次段でびっくりしたw それでも、物語も雰囲気も最初の印象から一切変わらないのがスゴイ。
李と姫と、二人の考え方の違いが炙り出すのは、それぞれの生きざまであり、同時に、物語の舞台がどのような世界なのか、という確かな像。願わくば、彼と、彼女が、それぞれ幸せに天寿をまっとうできますように。
個人的に、見慣れた地名にニヤニヤしてしまったw

B11 手探りカデンツァ
夜の印刷室にて孤軍奮闘する新米教師と、風変わりな同僚との交流譚。あっけらかんとしているようで微妙に掴みどころのない同僚氏がいい味出してる。狼狽える主人公の心情がストレートに伝わってきて楽しかった。それにしても、就職前は印刷代はどうしていたんだろう?


C01 その手が隠したものは
「バカな、右手の紋章が効かない」「愚かなり人間よ」てな会話が繰り広げられるのは、昼下がりの銀行。こんな展開を見せられて、一気読みせずにいられるだろうか(反語)。中二病を絵に描いて額に入れネギと一緒に背負って50m全力疾走した気分です。楽しかった!

C02 月下鴨川、モノノケ踊りて、絵師が狩る。
江戸時代の天才絵師・月舟は、モノノケを画中に封じたという。現代の京都を舞台に、月舟の水墨画にまつわる、モノノケ退治(?)の物語。しっとりとした情景に情念を潜ませた描写が素敵。暗がりに色が落とされるさまに見入ってしまった。
「幼馴染み」という一言では言い表せない、「俺」と詩子さんの関係も良いです……良い……尊い……。

C03 死の手招き
淡々と語られる「私」の死生観は、同時に「私」の人生をなぞる物語でもあった。独白は時に脇道に逸れながらも、少しずつ死に近づいていく。怒濤のごとく押し寄せる文章に溺れてしまうかと思いきや、それはするすると喉を通り、すうっと心に沁みとおってゆくのが見事だった。
>その手招きを手繰り寄せ、その手に口づけをする。
この一文にシビれました……。

C04 なにも宿らない
ピアノを弾く。誰かに聞かせるためではなく、自分のために。手が届くと思っていた理想に到達できなかっただけでなく、それ以上手を伸ばすことを諦めざるを得なかった主人公の、自虐めいた心の叫びが胸を刺す。おおおお、この話むっちゃ好きだ!
自在に動く指に見惚れる気持ちは、分からなくもないw でも、たった一人のオーディエンスが、耳を傾けることがなかったとしても、それでも彼女の手は、音を生みだしているのだ。

C05 鏡の中にいて私の中にいなくてあなたの中にいるもの
真夜中の学校、旧校舎。鏡の前に立つのは、可愛らしい緋袴の巫女装束。中学生らしい語り口も相まって、ガチなホラーというよりも児童向けの怪談かな、と思ったら、水死体の手触りにゾゾっとした。主人公にとっての日常と「シロウトさん」(ここには読み手も含まれる!)のそれとのギャップが、言葉の端々から顔を覗かせる。その距離感が絶妙だった。

C06 憎たらしい愛にさながら
奥さんに先立たれた「私」の、思い出と後悔がぐるぐるな独白。いかにも一昔前の亭主関白っぽいし、最初っから強がってばかりだけれど、なんかもう、なんかもう。「悲しい」という言葉が一切使われていないのに、悲しみが胸に迫りくるのがすごいと思った。

C07 迷い子の手
三番目の王子と旅の楽師の内緒話、自分の気持ちを上手く言葉にできない王子の様子にほのぼのしていたら、一転二転する情景に引き込まれた。師匠いい人や…。最後、迷子の手に触れたのはやはり? 別な世界の二つの軌跡の、一瞬の邂逅に思いを馳せた。余韻が心地よくて好き。
(冒頭を読んだ瞬間、「J・ガイル!?」と思ってしまったJOJO脳をお許しください……)(ていうか、J・ガイルは右手やん……)

C08 ナインティーン・イレブン
埃っぽいストリート、田舎の町、午後のカフェ。夢を語る軽薄男やグラマーな恋人も、巻き起こる騒動も、実にアメリカドラマって感じがして楽しい。台詞回しもとても好き。因果応報、と溜飲を下げたところで、ラストシーンもドラマティックで心地よかった。
お金を貢いで、フライパンや鍋や雑貨が手元に残り、人を失った、って、アレかな……なんてちょっと思っちゃいましたね……。

C09 プディヤの祈りは銀の蝶になって
求婚のための危険な儀式に挑む従兄のために、祈りを込めて刺繍を施す少女プディヤ。〈大屋根〉や〈糸の姉妹〉といった一族の風習もとても興味深いが、何よりも刺繍に呪力を込める神聖なる祈りが、美しくて、幻想的で、とにかく最の高です。
プディヤの想いや惑いが手に取るように伝わってきて、すっかり物語に引き込まれました。従兄、むっちゃいい人だ。これは仕方が無いわー、よく頑張った、プディヤちゃん。全ての要素がストンと有るべきところに収まる気持ちよさ。ご馳走さまでした!

C10 奇病と難病
前書きで「おお?」っとなって、さてどんな架空の病気が待っているのかと思ったら、「奇病」に「難病」。こういう軸のずらし方、楽しいなあ! WEBは「目隠しの世界」というのは真理だと思う。目隠しを外した出会いが彼らに与えたものを、読み終えてからずっと考えている。

C11 トゥルーエンド
神託を受け、国を守るために命を捧げようとしている神子のもとに、それを思いとどまらせようとやってくる者。用意された複数の「エンド」、選ぶべき「ルート」という言葉がゲーム的なものを想起させるが、最後に広がった視界は、あまりにも壮大だった。
タイトルの「トゥルーエンド」もだけれど、世界観から敢えて外した単語が、神子の持つヒトならぬちからを強調しているような気がする。上手いなあ。


D01 秘密が見える目の彼女
他人が隠しておきたいと思っていることを見てしまう女生徒の、孤独の物語…と思ったら、視点も雰囲気もガラッと変わってしまうのが面白い。不良くんの純情(?)が微笑ましくて不憫で、でも、きっとこれからも彼はこんなふうに、彼女達に振り回されるんだろうなあ。

D02 神の庭
《神獣》に祖国を滅ぼされた男とともに荒野をゆくは、《神獣》の棲む《神遺領域》の門をひらくことができる娘。独特の世界観やドラマティックな展開に目が釘づけになった。世界の成り立ちからその在りようまでもがギュッと詰まってて、より壮大な物語を期待せずにはいられない。
物語は勿論、文章といい雰囲気といい、とても好き。神獣と対峙したディノが、かつての肩書きを名乗るところにグッときた。ディノに協力する条件としてリュミエレが挙げた三つ目の願いといい、二人は過去に生きているのだな。ディノの復讐が終わった時、彼らの関係はどうなっているのだろう。

D03 couturiere
独立開業した裁縫師さんにふりかかる無茶ぶりが、妙にリアリティがあって苦笑してしまった。そういう大事なことはきちんと申告してほしいなあ。するべき。しろ。「手」というお題の使い方、特に、話題がそこに収束していくところが見事だと思った。〆の一文がカッコイイ!

D04 子どもを助けたら勇者と呼ばれた件について
タイトルを見た時は人命救助の話かな、と思ったんだけど、異世界転生だった。自転車のブレーキが「踏む」ってなっているのは、推理の攪乱を狙ってかなあ。こっちもか、なタイトル回収が気持ちよかった。

D05 夢を視ないという夢
小さな子供の頃、寝つけない夜はおばあちゃんが優しく両手で目を塞いで寝かしつけてくれていた。夢心地も混ざった郷愁溢れる思い出話、からの、なんだお前ら友人とはいえ迷惑すぎるだろ、な展開に構えてしまった。怖いようで怖くないけど、やっぱりちょっと怖い。
これ、根本的な解決になってないやん、と思わずこのあとのことを心配してしまった。猫の喧嘩みたいに、目が合わなかったらセーフ、だったらいいな。ほのぼのとした思い出話がどこか幻想的に思えるのは、寝入りばなという彼我が曖昧になる時の記憶だからかな。その雰囲気がとても好き。上手いなあ。

D06 ヴォストーク・デイ
真夏の日本を襲う大寒波。ですます調の穏やかで平和な文章とは裏腹に、次第に状況が切羽詰まってくるの、そのギャップで余計に背筋がぞくぞくする。寒さの描写が半端なくて、涙目になりながら読んだ。寒いのはね、苦手なんですよ!
どうやったら助かるんだろう、どうすれば良かったんだろう。詮無いことをずっと考えてしまう。ラストシーンの意味を良いほうに捉えようと頑張っているところ。ペンギン可愛い→可愛いは正義→正義は勝つ……だから無事でいて……。

D07 オズ ―知識の光をもたらした魔女―
「その光はやがて世界を灼き尽くすだろう。それでも知識が欲しいかい」石積みの平屋が並び、竜が荷を運ぶ世界に、進んだ科学知識を持ち込んだ魔女。読み進めるうちに、当初思っていたよりも更に奥行きのある世界の姿が、少しずつ明らかになってくる、その様子が、とても興味深かった。こういうテーマも展開も大好き(分かりやすい嗜好)。魔女の最期の言葉が、胸を締めつける。

D08 嗚呼 美シキ兄妹愛哉
現代異能もの、そしてバディものだ! 過保護な兄&しっかり者な妹という取り合わせも大好物です! 登場人物のやり取りも楽しかったけれど、この世に存在してはならないモノや、それを取り除く方法など、設定も描写も特徴的でとても面白かった!

D09 てとてとて
童話調の語り口がとても柔らかくて優しいのに、必要以上に構えてしまうのは、企画の作品を読んできて、一筋縄ではいかない物語に多く出会ったからだろうな。テトちゃん何者? と、色んな可能性を思い浮かべてドキドキしながら読みました。……うん、怖くなかった。可愛い。
カメラのピントが合うように、次第にテトちゃんの像がはっきりしてくるの、楽しかった。

D10 吾輩はルンタくんである
ロボット掃除機ルン○(機種名)のルンタ(固有名詞)くん、出動! 彼の語りが無茶苦茶愛らしい。ちょっと堅苦しい吾輩口調で「オーナーにナデナデ」とか可愛すぎる。お掃除は勿論、恋の仲立ちまでしてしまうルンタくん、一瞬、真剣に購入を考えてしまった。


E01 銀の御手のサジタリウス
丁寧に言葉を選んで綴られたファンタジー。異端の子サジが試練に臨む、その心情も、〈聖なる山〉の情景も「獲物」の姿も、まざまざと目に浮かぶようなのに、「異端」の理由が明かされた瞬間、まだ更に広がる世界の姿に息を呑んだ。剣と花の例えは、まさにサジが背負い込んだ宿命なのだろうな、などと考えていたら、最後の幼馴染みの少女の台詞が胸を打つ。寄せては返す波のような情報の起伏がとても好みだった。

E02 五月の庭、蕾の君は目を閉じたまま
高校をサボって、〈緑の手〉を持つおじさんの家で羽を伸ばすあきらの、あの年頃特有のちょっと斜めに構えた語りにニヤニヤしてしまう。と思ったら、おじさんの仕事相手の美人な女性登場で「んん?」となった。もしかして「僕」って、もしかして? 慌てて最初から読み返し、一読目とはまたちょっと違った拗ねを感じとり、ニヤニヤも二倍。「簡単な話じゃない」と零すあきらに胸の痛みも感じたが、それでも〈緑の手〉がある限りは大丈夫なんだろうな。
タイトルの「君」は誰のことなのか、思いを馳せるのがまた楽しい。

E03 機械細工職人と機械義手
機械細工と呼ばれる歯車などの部品で作られる芸術品。それが、「絵画」や「彫刻」のように一つのジャンルを形成するほど人々に求められている、という世界そのものに魅せられた。アトリエの描写がまたツボで、萌えもイマジネーションも掻き立てられるわぁ。
機械油にまみれた工場で、師匠(予定)の加齢臭を嗅ぎ分ける主人公の嗅覚に一瞬びっくりしたけど、エピソードそのものは彼女の性格が端的に伝わってくるのが見事だなと思った。最後の一文でハッと始めに立ち返るの、すごく好き。

E04 飲み干す残滓
荒れ狂う熱情を吐き出さんばかりのモノローグにドキドキしていたら、どこにでもありそうな姉弟の日常へと場面が移り、平和な家族の会話が繰り広げられる。なのに不吉な予感を拭いきれないのは、タイトルと冒頭モノローグのちからだろうなあ。細かいエピソードが積み上げられていき、それでも、と一縷の望みをいだいて、いだいて……、ああ。こう、色々と悶えさせられる物語。

E05 キズアト
風紀を乱す夢を見たとして、生徒指導に居残りを命じられる主人公の女子高生。紙媒体の本が所持を禁じられているのは、ダウンロードコンテンツとして管理できないからなんだろうなあ。などとぼんやり考えながら読み進めるうちに、恐るべき管理社会の姿が次第に明らかになってゆく。ちょっとドキッとするような思わせぶりな出来事に一息つく間もなく、駄目押しのように体制の恐怖が押し寄せてきた、と思ったら。一変する世界。飛び交う専門用語が、変化をこれでもかと突きつけてくる。うわー、これ、すっごく気持ちいい! とてもいい! 彼女の決意に、喝采を!

E06 幕張でバーチャルアイドルミゾレと握手
タイトルを見た時から、ずーっとどんな内容か気になってた、の No.1。見るからにコメディっぽいタイトルで、おじさんとバーチャルアイドルという取り合わせには確かにコミカルな雰囲気もあるんだけど、なんかもう端々が物凄く心に沁みた。アイドルというものに無縁だった澤良木さんの、おっかなびっくりから夢中になっていく様子といい、トラブルに際しての心の揺れ動きといい、ディテールのリアルなこと。ついつい感情移入してしまって、ど忘れの瞬間には読んでいる私まで叫びそうになったよ……。良かった、本当に良かった。

E07 楽園の手
はい、これが私の書いたものでした。SA☆TSU☆BA☆TSU for you.
あとがきテンプレートにて色々語るつもりですので、お楽しみに!

E08 それは手記にも似た
「何か」が「私」のどこかに触れている。見ることも聞くことも動くこともできず、得体の知れない薄ぼんやりと明るい空間で漂うばかりの「私」が、唯一認識できることがそれだった。「何か」との僅かな繋がりを心の支えに、淡々と現状を、自分を分析続ける「私」の語りが実に切なくて、一体どうなっているのか、どうなるのか、固唾を飲んで読み進めたら、進めたら! 思いもよらないギミックに、目頭が一気に熱くなった。これは……途中までは救いになっていただろうが……終いのは……つらいなあ。

E09 夜の谷で
お使いの帰りに森で道を外れてしまった少年を助けたのは、いわゆる「勇者御一行」の一人だった。長く激しい戦いののち、世界を危機に陥れた魔獣を見事退治した、と伝えられるものの、一年経っても未だ帰ってこない勇者達。その理由が実に切なくて、彼らの胸中を想像するだけで胸がいっぱいになる。ていうか、剣士って聞いて最初は素直に(?)脳筋キャラを思い描いていたけど、かなり策士でCOOLだな??
秘密を分け与えられた少年は、これからどうするのだろう。真実はただ彼の中で静かに朽ちていくだけなのかもしれないな。寂しいけれど、それが相応しいようにも思えた。

E10 夢の異世界ダンジョンへGO!
タイトルを見た時から、ずーっとどんな内容か気になってた、の No.2。富士の裾野にオープンした日本最大のヴァーチャルリアリティ施設! ちょっと未来の「こんなゲームがあったら楽しそう」な夢をささえる、溢れんばかりの現実味がとてもいい。ハイテクも異世界ダンジョンも、元気と下心が有り余っている男子大学生にかかれば、カラオケやゲーセンでのバカ騒ぎと大して変わらなくなるのが実に趣き深い。やー、笑った笑った、こういうノリむっちゃ好き! 
ある意味、覆面企画に相応しい、とても楽しい締めくくりでした!


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「楽園の手」



覆面作家企画8」参加作です。迷い込んだ楽園で、「手」を収穫し続ける「僕」の物語。お題が「手」ということで、手フェチを自認自称している人間として全力を尽くしました。
 小説家になろうのほうには二週間ほど前にアップしていたんですが、色々と忙しくて、サイトの更新がすっかり遅れてしまいました。
 5300字の短編ですので、隙間時間に是非どうぞ。

 →なろう版
 →カクヨム版(空行無しver.)
 →サイト版(空行無しver.)

 上のバナーを見ていただければ分かると思いますが、あまり愉快な物語ではありません。ウチのサイトだと「林檎一つ、他は何も」と同系統の、毒のあるタイプです。
 ただ、まあ、色んな意味でGBらしい物語ではあると思います。覆面作家企画なのに、全裸参加してましたね、はははは。

 後日、企画の「後書きテンプレート」で、色々と詳しい話を記そうと思います。
 普段はあまり表に出さない、作劇や構成の裏話的なものも公開するつもりです。ネタバレ御免な記事になってしまいますが、パスワードかけるほどではないかな……?

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覆面作家企画8 意気込みテンプレート

覆面作家企画8」参加にあたっての、意気込みテンプレートに記入いたしました。


■作者名
□GBと申します。那識あきら、というよそゆきの名前もあります。

■サイト名&アドレス
□「あわいを往く者」 http://greenbeetle.xii.jp/

他に、
小説家になろう: http://mypage.syosetu.com/311831/
カクヨム:https://kakuyomu.jp/users/typ1
BCCKS:http://bccks.jp/user/131950
にて小説を公開しております。

■参加ブロック
□Eブロックです。

■自己紹介、プロフィールページはありますか?
□一応サイトにそれらしきものが。
案内 自己紹介

人となりを知りたいという場合は、ツイッタを見ていただければ、すぐに「あー……」ってなると思います。

■好きなWEB作家さん&WEB小説作品はありますか?
□沢山あって選びきれないので! まるっとこちらを見てください! ここしばらく更新できてなくて、追加したい作品が幾つかあるのですが……むむむむ。
連載中の作品や、最近拝読したものは、あちらに。

■好きな作家さん&作品を教えてください。
□こちらも沢山あって選びきれないので、「読書傾向バトン」を見ていただければ。どこまでもズボラですみません。リソースの節約ということで。

ヴェルヌとドイルがいなければ、創作者としての私は存在しえなかったと思っています。

■最近読んだ本の中で、オススメの1冊と言えば何ですか?
『死なないやつら』長沼 毅
極限生物を題材に、「生命とは何か」について考察した新書です。題材が興味深いのは勿論ですが、文章や構成がびっくりするぐらいに面白くて、解りやすくて、目からウロコがぼろぼろと落ちました。

■作家以外の趣味はなんですか?
□空手と山登り……と言いたいところなんですが、身体を壊してからはすっかり遠ざかってしまいました。

■今まで、覆面作家企画に参加されたことはありますか?
■前回参加時、あなたの作品はどなたの作品だと間違われましたか?
■前回参加時、あなたは誰の作品の作者と間違われましたか?
■前回と同じブロックだった作者さん、今回もいますか?
□初参加です!

■この作品を書くのに、どのくらい時間がかかりましたか?
□四月上旬までアホみたいに忙しくて、参加するの無理、って思っていたんですが、10日を過ぎてちょっと余裕ができて、ネタをこねくり回すこと数日。DropBoxの履歴によると16日に文書ファイル作成してて、19日に「半分ぐらい書けた」ってツイートしてましたな。翌日深夜に初稿が上がって、23日に提出。遅筆な私にしては驚きの速さです。

■推理をかわすための作戦は?
□しっかり覆面をかぶりましたよ!(ドヤァ

■ズバリ言って、今回、あなたの作品を推理するのは簡単ですか?
□でも、服を着るのを忘れているような気がします!(アカン

■この企画のために書いた作品、他にもありましたか?
■その作品を提出しなかった理由は?
□最初は別なアイデアをこねていたのですが、無理にオチをつけようと頑張りすぎた結果、主題が家出してしまいそうになったので、諦めてボツにしました。いつか別な機会に日の目を見せてやろうと思っています。

■あなたが最近、良く書いている作品のジャンルは何ですか?
□ファンタジーですね。

■この企画への参加作品以外で、一番最近書いた作品は?
□一月末に7600字の短編「迷子」を書きましたが、実はこれ、長編「九十九の黎明」の番外編で、本編のネタバレが含まれるという一見さんお断りな仕様になっておりましてね……。そして、ここ三年ほど、ずっとこの長編にかかりきりだったという……。
本編未読でも読めないことはないものとなれば……
2017/3/14「お菓子の日、の、お返しの日」3700字
上記長編とは別な小説となると、一番新しいものがR15の長編で、その次に新しいのは……
2014/1/10「銀色の守護者」6600字
(2018/5/21追記)
これよりも新しいやつ、ありました! サイト未掲載だったので、忘れてました!
2015/02/14 「バレンタイン・カウントダウン その二」 1400字
ついでに、「推理用作品サンプル」作りました。自分からネギしょって鍋にダイブするスタイル。

■その作品は、推理のための重要なヒントになりますか?
□平時の私の芸風を把握することはできると思います。

■参加者さん&読者さんに一言。
□覆面作家企画の存在を知ったのは2011年の第五回の時なのですが、参加したいなあと思いつつも色々とタイミングが合わなくて見送り続けておりました。今回、奇跡的に締め切りに間に合うタイミングでヒュンとネタが降ってきてくれて、本当に良かったです。

普段、書いている時は「これ好きやねん!」と、読んでいる時も「これ好きやで!」ということぐらいしか考えていない、残念な頭のつくりをしている人間なので、探偵には到底なれそうにないですが、探偵諸氏の横で華麗に相槌を打つ役を目指したいと思います!

作品を提出されていない方も、探偵として企画に参加することができますので、是非とも覆面かぶった私を探しに来てください! え? 覆面はともかく、服はどうしたかって? この服は利口な者にしか見えないのですよ!(お巡りさんこっちです!)


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