未熟な甲虫の呟き

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2017年 07月の記事
2017/07/28
創作話] リプで来たキャラに対して3ツイート分くらい語る 
2017/07/23
雑記] 読書傾向バトン 
2017/07/22
創作話] 製本版「九十九の黎明」 
2017/07/13
創作話] 創作関係の呟き:私がなぜ怒ってるのかわかる? 
2017/07/13
創作話] 創作関係の呟き:己の気に入ってる一文を晒す2 
2017/07/11
創作話] 1番目にリプきたキャラが2番目にリプきたキャラにキスする 

リプで来たキャラに対して3ツイート分くらい語る

 ツイッタにて、#リプで来たキャラに対して3ツイート分くらい語るというタグを放流した結果、
紅玉摧かれ砂となる」からウルス、
九十九の黎明」からモウル、オーリ、ウネン、
をリクエストいただきました。
 その回答諸々をまとめておきます~。

ウルス@紅玉摧かれ砂となる
王太子ラグナの母方の従兄弟で鉱山の技師。内向的で無口でガキ大将にいじめられる系優等生。小さい頃から母親に「あんたは、あたしよりも姉ちゃん(ラグナのオカンのテア)によく似て頭が良い」と褒められることが多く、密かにテアを目標というか心の師と仰いでいた。
posted at 2017/7/26 14:18:11
(テア王妃が平民出身だということについては、作中でそれなりの説得力を持たせられたんじゃないかなと自負している)
posted at 2017/7/26 14:20:13
ラグナが強情でなかなか自分の意見を曲げないのは本編でも散々描写されていたが、実はウルスも負けていない。むしろラグナより酷い。反論に対してすぐ黙り込んでしまうから目立たないが、一度決めたことは曲げないし、どんなリスクも厭わない。ただし決めるまでに若干時間がかかる。即断即決は不得手。
posted at 2017/7/26 14:23:29
その不得手な即断即決を行ってしまったがために、悲劇が始まったのだ。
posted at 2017/7/26 14:25:09
あの失敗以降、ウルスは自分を完璧に制御するよう努めた。自暴自棄にはなっても、他人に対しては以前よりも更に慎重に、先の先を見据えて行動するようになった。つまり、「来るべき時」において、彼は、自分の選択がどのような結果を引き起こすのか充分に理解していたはずなのだ。
posted at 2017/7/26 14:28:21
はずなのだ……。
posted at 2017/7/26 14:29:05

モウル@九十九の黎明
魔術師には自然科学系を中心とした多くの知識が必要だが(例外アリ)、モウルの興味は一般的なそれにとどまらず、特に有史以前の「古代史」に造詣が深い。トリヴィアが大好きで、旅の間オーリはそういった小ネタを延々と聞かされ続けていた。今は聞き手にウネンも加わっている。
posted at 2017/7/26 18:00:04
実家が裕福なのをいいことに、家の手伝いも仕事もせずに魔術の修行に打ち込んできた。なかなか芽が出ず葛藤も鬱屈もしたが、そんな素振りを他人に見せることはなかった。悪口には嫌味で返し、嫌味には完璧な笑顔で返すのが信条。不遇の時代に自分を馬鹿にした人間のことは一生忘れないと思っている。
posted at 2017/7/26 18:01:16
経済的な事情で途中で勉学を諦めたオーリに対して、負い目というか罪悪感を抱いている。子供の頃の記憶から、脳みその出来はオーリのほうが上だと一目置いていて、事あるごとにオーリに「君の方が頭がいいのに勿体ない」と零していた。そういや、ウネンが合流してからはそんなこと一言も言ってないな。
posted at 2017/7/26 18:04:01

オーリ@九十九の黎明
もともとそんなにお喋りな性格ではなかった上に、不遇な少年時代のせいで、何も言わなければ墓穴を掘らずにすむと学習してしまった。今ではすっかり筋肉で語る人。勉強は嫌いではないが(「君の方が頭がいいのに勿体ない!」)そんな暇があったら筋トレがしたい。腕がなまる。
posted at 2017/7/26 22:44:51
剣術はモウルの実家が扱う隊商の護衛に教わった。護衛の面子は頻繁に入れ替わったので、結果として色んな戦い方を習得することができたという。記憶力が良く呑み込みも早くて、早いうちから野獣退治などで手柄を立てたが、それで余計に猟長の反感を買う羽目になったという話は、また別の機会に。
posted at 2017/7/26 22:46:53
仏頂面で不愛想で背が高くて筋肉、という外見のわりに意外とまめまめしい。モウルと二人で旅をしている時は炊事や裁縫を担当していた(ウネンが加わったら三人ローテーションに)。ただし美的感覚は無い。「服の穴が塞がればいいんだろう」ってつぎを当てるのに凄い色合いの布を平気で使おうとする。
posted at 2017/7/26 22:50:24
「ウネンが加わったら〈三人〉ローテーション」……ここ、ツッコミポイントなのでヨロシク。 (女の子相手にエエカッコしたいわけですよ……)
posted at 2017/7/26 22:53:54

ウネン@九十九の黎明
体形と髪型のせいで十二歳ぐらいの男子によく間違えられるが、本人は気にしていない。髪を伸ばして着る服を選べば十二歳ぐらいの女子に見えるだろうが、そちらの方が色々と不便だから。養父母は可愛い服を着せたがっているが「もう少し背が伸びたら」で現在に至ってしまった。
posted at 2017/7/27 08:53:17
旅に出てすぐはオーリ達はウネンを気遣って寝台無しの部屋は避けていたが、すぐに気にしなくなった。面倒を嫌って「男二人とその弟」で宿をとるのだが、どちらが兄かと訊かれてオーリに「兄ちゃん」と呼びかけた際、あまりにもオーリが狼狽したので、以来モウルが兄という設定で行くことになった。
posted at 2017/7/27 08:55:34
「兄ちゃん」
「!?!! お、おぉ、う、あ、ぁあ、」
「(宿の主人に向かって)あー、彼、今ちょっと風邪ひいててまともに声が出ないんで、放っておいてください」
「そうかい、お大事にな」
posted at 2017/7/28 07:26:36
寝台つきの部屋に泊まる場合はだいたい二人部屋になるが、性別で寝台を分けると寝床に対する占有密度が偏り過ぎるので、一箇所に寄せて雑魚寝。毛布はきちんと人数分借りるので問題ない。 野獣退治の依頼を受けた際は、基本的にウネンは宿に残って、宿屋の仕事の手伝いをして宿代を少し負けてもらう。
posted at 2017/7/27 08:57:11
(うーん、ネタバレを避けるとなると、どうしても旅の途中の話になってしまうなあ……)
posted at 2017/7/27 08:57:58
本編が終わったあとは、ウネンも一緒に野獣退治に行くよ!
posted at 2017/7/27 09:07:35
あ、そうか。ウネンについては、ネタバレが絡んでくる他に、主人公ということで本編であらかた語り尽くしてしまっているから、あらためて何か語るとなると、こういう「旅の一幕」みたいな内容しか出てこないんだな……。
posted at 2017/7/27 13:46:03

 フォロワさんからの、「どういう並びで寝てるのか」とのリプライを受けて……
@xxxxxx 扉に一番近い場所がオーリ(何かあったらすぐに起きるから)というのは鉄板ですね。自分よりも大きい人間に囲まれるのは落ち着かないだろう、とウネンを一番壁際にするんじゃないかなー。となると、なんとなく礼儀(?)みたいな感じで、モウルはウネンに背を向けて寝ようとして、
posted at 2017/7/27 13:29:17
@xxxxxx オーリと正面から目が合って、なんとなく落ち着かないから今度はオーリがモウルに背を向けて……、で、朝には三人ともどっち向いてようが関係ない感じで目が覚める、という繰り返し……。
posted at 2017/7/27 13:36:11
 そして更に別の方からは「朝方、知らない間に全員が同じ方向向いて同じポーズになっている」とのネタをいただきました。「微動だにしないオーリ、丸まって寝てるウネン、寝姿は意外と(?)行儀いいモウル」という楽しいネタも。
 皆さんお付き合いありがとうございました!
 

読書傾向バトン

 以前に小説家になろうの活動報告で回答したバトン、こっちにも載っけようと思って忘れていたのを思い出したので、今更ながら転載しておきます。
(記録魔だから、というよりも、こっちのほうが何かの際に記事検索しやすいのでな)
 

製本版「九十九の黎明」

 ありがたくも、「九十九の黎明」を紙の本で読みたい、とのお声を複数いただきましたので、製本直送.comさんの「どこでも出版」サービスを使って、製本版を頒布することにいたしました。文庫判で全四巻、トータルで1064ページです。
 この「どこでも出版」とは、入稿した原稿PDFを用いて注文に応じて一冊から製本を販売するサービスです。受注、決済、製本、発送といった作業を全て、製本直送.comさんが行ってくださいます。
 2017年7月現在、クレジットカードやPaypal、コンビニや楽天ID決済が使用可能です。

 在庫が発生しない、つまり印刷代を回収する必要がないシステムなので、きっかり実費のみをいただくことにしました。同じ本を二冊同時に注文する場合に微妙な金額の送料が発生するのも、私の収益がゼロになるように印刷代と送料とサービス手数料とを厳密に計算した結果です。

 送料が総ページ数によって段階的に変化するため、「全巻セット」でのご購入が幾分お安くなっております、が、それでも一冊あたり千円となかなかのボリュームです。
 一円でも価格を下げようと、表紙はモノクロ印刷ラミネート加工無し。表紙イラストも挿絵もありません。まさに、「この物語を紙の本として手元に置いておきたい」というご要望にお応えするためだけの存在です。どうか悪しからずご了承ください。


全巻セット 販売ページへ
4,004円(税・送料込)
第一巻~第四巻の四冊をまとめてご購入の場合はこちらをどうぞ。
各巻の詳細については、以下をご覧ください。


第一巻 販売ページへ
976円(税・送料込) 文庫判 248頁
第一章~第三章、幕間「首途」(書き下ろし・3300字)


第二巻 販売ページへ
1,254円(税・送料込) 文庫判 272頁
第四章、第五章、幕間「老魔術師と姫」(書き下ろし・3100字)


第三巻 販売ページへ
1,239円(税・送料込) 文庫判 264頁
第六章~第八章、幕間「はなうた」(書き下ろし・1800字)


第四巻 販売ページへ
1,271円(税・送料込) 文庫判 280頁
第九章~第十二章、終幕「夜をこえて」(書き下ろし・3100字)



専用カバー画像

 省労力を徹底した結果、表紙が殺風景になり過ぎたので、カバー用の画像を用意いたしました。
 写真は、New York Public Library(ニューヨーク公共図書館)The Lionel Pincus & Princess Firyal Map Division より、"Frontispiece" Atlas maritimus, or, A sea-atlas : describing the sea-coasts in most of the known parts of the world を使用させていただきました。(参考:Open Access Maps at NYPL
 以下よりダウンロードの上、印刷してお使いください。
 ※300dpiで原寸大です。左右に余白を取らないようにして印刷してください。

B4判
  一巻
  二巻
  三巻
  四巻

A4判
  一巻
  二巻
  三巻
  四巻
 

創作関係の呟き:私がなぜ怒ってるのかわかる?

 六月分のまとめです~。

「私がなぜ怒ってるのかわかる?」の台詞が大喜利めいてきているのが面白いw
posted at 2017/6/23 12:09:05
 ※参考「「なんで怒っているか分かる?」を、いろんな文学者その他が書いたら
「私がなぜ怒っているのかわかるか?」
 ナイフの柄を握る指――関節が白く浮き上がった華奢な指――を、血濡れた手が鷲掴みにする。
「教えただろう。急所は、ここじゃない。もう少し、上だ」
 灰色の瞳にのみ僅かに苦痛を浮かばせ、師が微笑んだ。
「いつまでたっても、お前は詰めが甘いな」
posted at 2017/6/23 12:11:48
「いいえ、これでいいんです」
 彼のただ一人の弟子は、今にも震えそうになる歯の根に力を込めながら、囁いた。
「もう少しだけ、あなたと話がしたかったから」
「なんだ」
「先生は……、私がなぜ怒っているのかわかりますか?」
 師の薄い唇が、綺麗な弧を描いた。
「分かりたくもないね」
posted at 2017/6/23 12:14:06
 既存の物語やキャラを想定して書いたわけではない、即興でものした一シーンでしたが、思いのほか反応が良かったので、いつかどこかで使うかもしれません……。
 この師弟、成人男性と少女、成人男性と少年、成人女性と少年、という可能性をリプライなどでいただいたのですが、実際に物語にするとなると、どういう組み合わせがいいかなー。


アルノルド~」、実直な剣士が若き王にかしずく図を書こうとして、実際にそのとおりに書けたはずなんですが、「なんか違う」と思わなくもないのは、やはりアルノルドの度を越した石頭っぷりに有るような気がします……。
posted at 2017/6/16 07:49:57
視野の狭い石頭キャラの視点に寄せて物語を綴るの、むっちゃむずかしかったんですよねー。石頭がくだした偏った判断を、さも当たり前のように記述した上で、それを読んでいる人に「ちょ、お前、そうじゃないって!」ってツッコミを入れてもらわないといけないという。
posted at 2017/6/16 07:56:29
misdirectionについては、WEB初出時にこんなこと呟いてました。はははは。 → twitter.com/typ1/status/40…
posted at 2017/6/16 08:02:34


いいねの数だけ◯◯に何かが起こる shindanmaker.com/612963 を九十九の三人でやってみたら、「ウネンに 本をあげる」、「オーリに トマトを収穫させる」、そして「モウルに 紙飛行機を飛ばす」って出て、見事なオチに笑わずにはいられなかったw 紙飛行機で狙い撃ちw
posted at 2017/6/20 18:00:23
 ※ここでフォロワさんに冷静なツッコミをいただく。
@xxxxxxxx ああっ、そうか、風で防御されてしまう……!(当てる気まんまんでした……w
posted at 2017/6/20 18:52:15
 ※最終的に、モウルに紙飛行機を当てたいという方が三人も名乗りを上げてくださいました。
@xxxxxxxx @xxxxxxxx @xxxxxxxx
「たったの四人とは、僕を甘く見ないでいただきたいね(風ビュン」
「だめだよ! 上質な紙は貴重なんだから、回収しようよ!」
「回収!?」
「そうだな(虫取り網を手渡す」
「これで!?」
「頑張ってね」
「待って」
posted at 2017/6/20 21:25:28
そもそもあの世界に「紙『飛行機』」という概念があるのかどうか。それは言わないお約束。
posted at 2017/6/20 21:31:43


>RT 手も足も出ない相手のマンガスですが、以前「タキシード仮面みたいな外見を想像しました(意訳」とのコメントをいただいたことがありました。小説本文では「白銀の仮面で目元を隠している」としか記述していませんが、皆さんはどんな仮面を想像しておられるのかな……と……。
posted at 2017/6/19 22:07:59
今ちょっと我に返ったんだけど、私、貴重な時間を使ってナニ描いてんねん……。
posted at 2017/6/19 22:15:06
GB、あなた、憑かれてるのよ……。
posted at 2017/6/19 22:16:47
ガンダムをネタにしたのは、ウケを狙うというよりも、「仮面キャラといえばガンダム!」って真剣にそう思ったからなのですが、よく考えたら、オペラ座の怪人とかアルスラーンの銀仮面とか有名な仮面キャラって他にもいるなあ、と、リプライいただいてあらためて思った次第。やっぱり私、疲れてますな。
posted at 2017/6/19 22:50:25
いや、まあ、シャアの次にフルフロンタル選んだ時点で、ワルノリはしていた。それは間違いない。
posted at 2017/6/19 22:51:53
初代、UC、と来たら、もう、ガンダムシリーズ以外が目に入らなくなっても仕方がないと思います(自己弁護
posted at 2017/6/19 22:53:27
 

創作関係の呟き:己の気に入ってる一文を晒す2

 前回の「創作関係の呟き:己の気に入ってる一文を晒す」から一年半ぶりにこのタグで遊んだので、まとめておきます(記録魔
 興味を抱いてくださった方がいればと思って、小説タイトルからなろうのほうに(電子書籍のものは宣伝ページに)リンク貼っておきますね……(ちゃっかり


澱み、だ。朗の口からまたも溜め息がこぼれた。いっそ水から足を抜き、河原に上がればよかったのだ。もしくは流れに身を投じ、全力でそれに立ち向かうか。激流を恐れ、それでも未練がましく澱みに立ち尽くす朗の、身体のあちこちにこびりついた思念の欠片。それらが腐臭を放っている。(撞着する積木
posted at 2017/6/14 22:54:43

目隠しさえ取らなければ、たとえ其処が奈落に臨む絶壁の縁だったとしても、恐れる事は何一つ無い。断崖に目が眩む事もなければ、恐怖に足が竦む事だってないだろう。かりそめの平穏のもと、ただ無邪気に歩き続ける事が出来るというものだ。――足を踏み外す、その瞬間までは。(撞着する積木
posted at 2017/6/14 22:58:23

ヘレーは右手を差し伸べた。指先が微かに震えているのを自覚した。一旦手を引き左手で右手を握り締め、静かに深呼吸をしてから、もう一度右手を墓標へと伸ばした。(九十九の黎明・落花)
posted at 2017/6/14 23:06:30
これは紙本に収録する予定の掌編です(あからさますぎるダイマ
posted at 2017/6/14 23:07:35
 ※のちにタイトルを「夜をこえて」に変更。

柔らかな旋律(メロディ)が、慈雨のように大地に降り注ぐ。その歌声は、たっぷりと日の光を浴びた干し藁を思い起こさせた。山と積まれたふかふかの寝藁に身を投げだして、そっと目を閉じてしまいたくなる、穏やかな秋の日差しそのものだった。(九十九の黎明・第七章)
posted at 2017/6/14 23:14:02

足の下に広がる大地も緑なす森も、目に映るもの全てが悠久の時を刻む書庫となり、いのちを支える宝物庫へと姿を変えた。文字は、見えないものの姿をこの世に浮かび上がらせ、数字は世の理(ことわり)を紐解いてくれた。(九十九の黎明・第四章)
posted at 2017/6/14 23:16:50

拒絶されるのが怖くて、私はそれ以上何も訊くことができなかった。泣いていたことを誰にも言わないで、と掠れた声を漏らすユウカさんに、ただ静かに頷き返すことしかできなかった。でも本当は、彼女の悲しみを共有したかった。彼女の秘密を。(こきあけの衣)
posted at 2017/6/14 23:22:38

「違う」
ラグナが漏らした呟きを聞き、フェリアが怪訝そうに眉を寄せた。
「違うんだ。謝るべきはお前じゃない。俺、だ」
フェリアがラグナに向かっておずおずと手を差し伸べた。
温かい指先が、そっとラグナの頬を拭う。そこで初めて、ラグナは、自分が涙を流していることに気がついた。(紅玉~
posted at 2017/6/14 23:30:50

鉄錆の味が、ラグナの口の中にじわりと広がる。加護どころの話ではない。救済は勿論のこと、たとえ罰であろうと、今のラグナが神から賜ることのできるものなど、何も、無い。(紅玉摧かれ砂となる
posted at 2017/6/14 23:32:43

――勝気なのは、太刀筋と同じ、か。
思わず浮かび上がる笑みをなんとか押し殺して、アルノルドは、審判に食ってかかるロニーの前に右手を差し出した。ロニーが文句を口にするよりも早く、きっぱりと言いきる。
「これは、配慮ではありません。敬意です」(アルノルド・サガフィの帰郷
posted at 2017/6/14 23:41:52

高らかな靴音が小屋の壁にこだまする。風に翻った上衣の裾が、影の色を捨てて臙脂色に変わった。
「部下を返してもらおうか」
ルドス警備隊隊長エセル・サベイジは、静かに腰の剣を抜いた。褐色の前髪の下で切れ長の目がぎらりと光る。
「それとも、私が自分で取り戻したほうが良いかな」(黒の黄昏
posted at 2017/6/14 23:45:40

ひとしきり声を荒らげ、二人は互いに睨み合った。
怒りを、それもおのれ自身への怒りを他人にぶつけたところで、事態が好転するわけがないのは二人とも充分に解っていた。解ってはいたが、そうでもしないと気がおかしくなってしまいそうだったのだ。(九十九の黎明・第八章)
posted at 2017/6/14 23:47:11

悲鳴一つ上げず、ただ微かな唸り声のみを漏らした鉄錆色の髪の男を見て、エセルは小さく感嘆の声を上げた。
「伊達に、陛下に叛旗をひるがえしているわけではない、ということか」
「飼い犬の分際で、大きな口を叩くな。俺を誰だと思っている」(黒の黄昏・第十四話)
posted at 2017/6/14 23:49:51

瑞々しい風が頬を撫でる。
そこかしこで木々の葉が一斉に囁き、黄金(きん)の光が乱舞する。
若草、萌黄、常盤に青磁、濃いも薄いも、明も暗も、あらゆる緑が風を紡ぎ、木漏れ日を編む。
ふと、木立の遠くに人影を見たような気がして、ウネンは目陰(まかげ)を差した。(九十九の黎明・第十二章)
posted at 2017/6/14 23:53:34

「すまない。何も見なかったことにしてくれ」
 目元を覆うのは手のひらだろうか。ごつごつとした肌の感触が、ウネンの瞼を包み込む。触れられたところからじんわりと伝わってくる、オーリの体温。全てを覆い隠す、温かい、闇。
「訊かないでくれ。今は、何も」(九十九の黎明・第五章)
posted at 2017/6/15 12:40:51

誰よりも、彼は揺るがなかった。そして、誰よりも優雅だった。
甲矢を番える時の乙矢を握る指の動きも、弓構えから打ち起こす時の肩のラインも、ただ見つめるだけで心臓が高鳴るほどだった。弦や箟(矢の軸)を検める刃のような双眸に、ホノカの背筋は幾度となく震えた。(薄紅まといて
posted at 2017/6/16 08:18:42

鬱蒼と重なる針葉樹の梢が、空を覆い隠している。風に瞬く木漏れ日は、まるで蜘蛛の糸のようにか細く、地上に到達することなく大気中に拡散するばかり。鳥の声一つ聞こえぬ静まりかえった林の中、時すらも見失いそうな幽玄の世界に、切妻屋根の千木が静かに天を衝いていた。(薄紅まといて
posted at 2017/6/16 08:20:41

「その『維持保全』に信用が置けなかったら、どうすればいい? おのれに心地よい言葉にしか耳を貸さず、正しい知識をないがしろにするばかりか、誠実であろうとする者達を地に引き倒し、あまつさえ土足で踏みにじろうとする輩(やから)を、私はどうやって信じればいい?」(九十九の黎明・第十二章)
posted at 23:49:56

「あなたは……あなたという人は……」
「ああ、僕もね、目的のためには手段を選ばない人間なので」
 モウルが、悪びれもせずに肩をすくめた。
「ただ、まあ、自分が他人の足を引っかける以上、他人から足を引っかけられても文句を言わない覚悟はしてますよ。常にね」(九十九の黎明・第七章)
posted at 2017/7/25 09:34:03




 オマケ。
文章そのものがご馳走、って感じの流麗で美しい文に憧れてやまないんだけど、センスや語彙が圧倒的に不足している自覚があるから、ただひたすら、頭の中の情景をいかに無理なく的確に読み手に伝えるか、ということに腐心している。視覚以外の感覚情報や雰囲気とかも伝えることができたらいいなあ。
posted at 2017/6/16 08:36:07
ありがたいことに、私の文章について、端正、と言っていただけることはあるんだけれど、造作を整えるのと、きれいなかたちを作り出すのとは、根本的なところで違うと思う。残念ながら、私は芸術家にはなれなさそうなので、できる範囲でちまちま頑張っていきたい所存……。
posted at 2017/6/16 08:40:38
機能美、って言葉もあるしな……!!
posted at 2017/6/16 08:41:42
 

1番目にリプきたキャラが2番目にリプきたキャラにキスする

 相変わらず体調がイマイチで、亀の歩みでしか創作活動を行えていなくて、でもって気がついたら一箇月無更新広告がブログにでてしまってました。
 ツイッタログを転記するにも、今ちょっと余裕が無いので、小説家になろうの活動報告から一週間前の記事をまるっと転載してお茶を濁しますー。
 もともとブログにも載せるつもりだったんですが、ばたばたしてたら後回しになっちゃってね……。慌てて広告消しとまいります。

    * * *

 ツイッタで「#1番目にリプきたキャラが2番目にリプきたキャラにキスする」というハッシュタグを放流した結果を、こちらでもまとめておきますね。

 一番目も二番目もご指定いただいたのが「九十九の黎明」のキャラだったので、寸劇交えてまいります。
 文字が潰れて読みにくい場合は、画像クリック(タップ)で原寸大で見られます。






 ハッシュタグを流して一分も経たないうちに、
「モウルさん!」
「ウネンちゃん!」
「イレナちゃん!」
 と、お三方から反応をいただきまして、こーんなことになりました。

 モウルね、プライドは高いわ頑固だわ、色々とシチュエーションを練っても、ことごとく屁理屈で逃げようとするんですよ。
 苦肉の策で、ターゲットとは別の人間にキスしなければならない状況を作ったところ、なんとかお題をクリアすることができました。君、本当にひねくれ者やな……。
 そして、安定の保護者枠オーリ……。



※最後のラクガキは、もともとは第六章の「満天の星の下で」でのネタ(「オーリとモウルが仲良く二人並んで、畏まって座っている。」という描写で、何故か正座を連想した方が複数いらっしゃったという話)なのですが、あまりにもぴったりだったので……。

 アホなノリにお付き合いくださった方々、ありがとうございました!
 
 

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